スタッフブログ
【注意】再塗装をしてはいけないスレート屋根9選!失敗しないためのメンテナンス法
2025.06.19
屋根材のこと
スタッフブログ

日本の戸建住宅に多く採用されてきた「スレート屋根」。軽量で施工しやすく、デザイン性に優れ、コストパフォーマンスにも優れることから、1990~2000年代には特に人気を誇る屋根材でした。特に都市部では、瓦屋根よりもスレート屋根の採用率が高く、広く普及した屋根材の一つです。
しかし近年では塗装によるメンテナンスが不可能なほど脆くなっているスレート屋根が多く見られます。知らずに塗装すると、すぐに剥がれたり、劣化が進行して大規模な修繕が必要になることも。
ご自宅の屋根材は塗装ができる屋根なのか、ぜひこの記事で正しい知識を身につけ、大切な家を守るための参考にしてください。
☑ 塗装してはいけない屋根材とは、塗装が適さない屋根材のこと
☑ 塗装してはいけない屋根材9選
☑ 塗装以外のメンテナンス方は、カバー工法か葺き替え工事
☑ 塗装してはいけない屋根材に塗装すると、どうなる?
☑ 塗装してはいけない屋根材の見分け方
塗装してはいけない屋根材とは?
-1.jpg)
塗装してはいけない屋根材とは、素材や製造方法の特性上、塗装によるメンテナンスが適さない屋根材を指します。
こうした屋根材を塗装してしまうと、塗料が密着せずすぐに剥がれたり、屋根材自体が劣化してしまったりと、かえってトラブルを引き起こす可能性があります。
塗装ができない理由とその背景
塗装ができない理由として最も多いのは、屋根材自体の耐久性や密着性が低下していることです。
セメントに石綿(アスベスト)を混ぜて圧縮成型した”石綿スレート”は、断熱性・防火性・耐久性が高く、理想の屋根材として多く普及しましたが、のちに健康被害(石綿肺、中皮腫など)との関連性が明らかになり、2004年には製造・使用が全面禁止されました。
その結果、メーカーはアスベストの代替素材としてパルプや樹脂、無機繊維などを使用したノンアスベスト屋根材を開発しましたが、耐久性や耐候性が従来品よりはるかに劣る問題が生じました。
特に、初期に登場したノンアスベスト製品はアスベストに比べて著しく耐久性が低く、10年~15年程度で劣化が進行してしまうケースも少なくありませんでした。
その結果、現在では塗装によるメンテナンスが不可能なほど脆くなっているスレート屋根が多く見られます。塗装をしてもすぐに剥がれてしまったり、高圧洗浄や足場設置時の踏み割れが起きたりするため、業者側でも「塗装不可」と判断せざるを得ない状態なのです。

塗装してはいけない屋根材9選 具体的な症例を紹介
塗装してはいけない屋根材を知らずに塗装をすると、せっかくの費用と時間が無駄になるばかりか、かえって屋根材の劣化を早めてしまう恐れもあります。
塗装してはいけない屋根材を下にまとめました。
これらの屋根材は、現在販売から15年以上が経過しており、ほとんどが塗装不可の状態とされています。
製品名 | メーカー | 販売年数 | 劣化症状 |
パミール | ニチハ | 1996~2008年 | 層間剝離・破片の落下など |
かわらU | 積水化学工業 | 1990~2007年 | ひび割れ、層間剝離、破片の落下など |
レサス | 松下工業 | 1999~2006年 | ヘアークラック、ひび割れ、破片の落下など |
アーバニーグラッサ | クボタ | 2001~2005年 | ヘアークラック、ひび割れ、破片の落下など |
ザルフグラッサ | クボタ | 2001~2005年 | ヘアークラック、ひび割れなど |
ザルフ | クボタ | 2001~2006年 | ヘアークラック、ひび割れなど |
コロニアルNEO | クボタ | 2001年~ | ヘアークラック、ひび割れなど |
グリシェイドNEO | クボタ | 2001年~ | ヘアークラック、ひび割れなど |
シルバス | 松下工業 | 2001~2003年 | ヘアークラック、ひび割れ、破片の落下など |
パミール

パミールは、1996年から2008年までニチハ株式会社が製造していた屋根材で、塗装によるメンテナンスは推奨されません。
それはパミールが経年劣化によって表面の層が薄く剥がれる「層間剥離」という症状を起こしやすいため。ほかにもひび割れや剥がれといった不具合が特に顕著に現れ、防水性が著しく低下することになります。
パミールに塗装をしても、屋根材自体が剥がれ落ちてしまうので、塗装する意味がありません。
パミールはカバー工法や葺き替えによる根本的な修繕を検討する必要があります。
かわらU

かわらUは、塗装によるメンテナンスが推奨されない屋根材の代表例です。
かわらUには、アスベストを含むもの(1990年以前)とアスベストを含まないもの(1990年~2007年)があります。
1990年以降のかわらUは、アスベストの代わりにビニロンという素材を使用しています。これにより強度が脆くなり、表面の塗装は剥がれやすく、割れやすくなったため、塗装で補修しようにもできないといったクレームが多数、発生しています。
かわらUは、空気の層があり製品自体も脆いため、屋根に登ると簡単に踏み抜いてしまい、ケガや落下に繋がります。
かわらUは劣化が早いため、できるだけ早期にリフォームを検討した方が良いでしょう。
レサス

レサスは、1990年代後半から2000年代初頭にかけて普及した薄型のスレート屋根材で、割れやすさが特徴的なため塗装には適していません。
この屋根材は、経年とともにひび割れや欠け、反りが発生しやすく、破片が落下する危険性が生まれます。築10年ほどで、これらの不具合が相次いで起こり始めます。
少しの力で割れるので塗装での保護が難しく、塗装をしても意味がありません。レサスのメンテナンスには、塗装ではなくカバー工法や葺き替えが推奨されます。
アーバニーグラッサ

アーバニークラッサは、天然スレートを敷いたような高級感溢れるデザインが人気で、ノンアスベストタイプは2000年代初頭に販売されました。
段階的規制に合わせてアスベスト含有量を減らしながら製造されてきたため、ひび割れや割れが発生しやすい屋根材です。特に表面の層が劣化しやすく、経年により表面が粉状になるため塗料が密着しにくく、塗装してもすぐに剥がれてしまいます。
そのため、アーバニークラッサに対しては塗装にこだわらず、適切なメンテナンス方法を選ぶことが、結果的に費用対効果の高い選択となるでしょう。
ザルフグラッサ、ザルフ

ザルフグラッサは、「ザルフ」の高耐候仕様として販売されていた製品で、表面に木目のような模様があります。ザルフグラッサ、ザルフともに耐久性に乏しく、8年~10年くらいで不具合が多く報告されはじめました。実際に施工後10年経たずにヒビ割れ・欠け・割れといった症状が起こります。
「多少のひび割れは塗装で補修が出来ますよ」などと誤った施工方法を勧めてくる業者がいるかもしれませんが、ザルフグラッサは塗装できません。
そのため、ザルフグラッサやザルフに対しては塗装を避け、カバー工法や葺き替えなどの別のメンテナンス方法を検討することが賢明でしょう。
コロニアルNEO
-2.jpg)
コロニアルNEOは、2001年から2005年頃まで製造された薄型の屋根材ですが、塗装後に不具合が多発するため注意が必要です。
その主な症状は、塗装後数年で表面が剥がれたり、ひび割れが発生したりすること。築8〜10年経つ頃から、不規則なひび割れ・欠け・変色などが見られるようになります。すぐに割れてしまうので、屋根を調査してもらう際にも注意が必要です。
コロニアルNEOの場合、塗装によるメンテナンスは推奨されず、カバー工法や葺き替えといった根本的な対策が必要になります。
グリシェイドNEO
.jpg)
グリシェイドNEOは、基材自体の耐久性に問題があり、塗装には適さない屋根材の一つです。
この屋根材は、戸建て住宅の屋根として使用され、大手ハウスメーカーで多く使用されていました。
非常に強度が低いため、時間の経過とともにひび割れや反りが発生しやすく、隙間から水が入ることで、雨漏りを引き起こす可能性が高くなります。
グリシェイドNEOは塗装をしても強度が向上することはありません。
そのため、グリシェイドNEOのメンテナンスには、塗装以外の方法を検討することが重要です。
シルバス

シルバスは「レサス」の上位グレードとして販売されていた製品ですが、耐久性の面で課題があり、現在では塗装によるメンテナンスができない屋根材として知られています。
販売開始から終了までの期間が短かったため、あまり市場に出回ってはいませんが、表面にひび割れが多数発生したり、表面だけでなく基材ごと脆くなるため、塗膜が密着できず、塗装ができません。
素材自体の強度不足から、カバー工法や葺き替えが必要なケースがほとんどです。
塗装してはいけない屋根材のメンテナンス法
塗装してはいけない屋根材は、表面が脆くなっていたり、素材自体が塗料との相性が悪かったりする場合が多く、無理に塗装を施しても根本的な解決にはなりません。
カバー工法は、既存の屋根材の上に新しい屋根材を被せる方法で、葺き替えよりも費用や工期が抑えられるメリットがあります。
一方で、屋根材の劣化が激しい場合や下地の損傷が進んでいる場合は、葺き替えが適しているでしょう。

カバー工法のメリットと適用条件

カバー工法は、塗装できない屋根材に最適なメンテナンス方法の一つです。
この工法の最大のメリットは、既存の屋根材を撤去せずに新しい屋根材を被せるため、廃材処分費用や工期を大幅に抑えられる点でしょう。
スレート屋根や金属屋根は、薄くて平坦なため、カバー工法との相性が良い屋根材です。
また、二重構造になることで断熱性や遮音性が向上し、住環境が快適になる効果も期待できます。
しかし、すべてのケースでカバー工法が適用可能とは限りません。
既存の屋根材が著しく劣化している場合や、下地の腐食が進行している場合は、カバー工法では十分な耐久性が確保できず、葺き替え工事が必要になります。
事前に専門業者による屋根の状態診断を受け、適用可能かどうかをしっかり確認することが重要です。
屋根の勾配や構造、耐震性なども考慮し、適切な施工が可能かを判断してもらいましょう。
葺き替えのメリットとタイミング

葺き替えとは、既存の屋根材を撤去して、新しい屋根材で葺き替えるメンテナンス方法です。
屋根をすべて撤去するため、下地から補修・点検でき、屋根の寿命を大きく伸ばすことができます。カバー工法と違い、屋根の軽量化や耐震性向上を期待でるでしょう。
屋根材の下地となる防水紙は15~20年、野地板は30~40年ほどと言われています。
雨漏りなどが見られ、下地も劣化が進行している場合には、葺き替え工事が唯一のメンテナンス方法となります。
カバー工法に比べ費用はかかりますが、自治体によっては屋根リフォームに補助金制度が設けられている場合もあります。葺き替え時には制度の有無を確認し、上手に活用しましょう。
適切なタイミングで葺き替えを行うことが、結果的に住まいの寿命を延ばし、トータルコストの削減にもつながります。
塗装してはいけない屋根材に関するよくある質問
3.jpg)
塗装不可の屋根材を放置するとどうなる?
メンテナンスが必要な屋根材の劣化を放置すると、劣化が急速に進行し、雨漏りや屋根の破損といった深刻なトラブルが発生する可能性があります。
「まだ大丈夫かもしれない…」と放置しているうちに、修理費用が高額になるケースも少なくありません。
放置せず、適切なタイミングでカバー工法や葺き替えなどのメンテナンスを行うことが、建物を長持ちさせるためのポイントになります。
塗装してはいけない屋根材の見分け方は?

塗装できない屋根材を見分けるには、まず屋根材に記載されたメーカー名や製品名を確認することが最も確実です。
屋根材の端や裏面に製品名が刻印されている場合も多く、そこからインターネット検索で塗装が可能かどうかを調べることができます。
また、屋根材の表面に激しいひび割れや剥離、反り返りが見られる場合は、塗装が難しい素材である可能性が高いです。
特に2004年以降に製造されたノンアスベスト屋根材は、耐久性が低く表面の劣化が早いため、塗装が困難とされるケースが多いでしょう。
「自宅の屋根も塗装が難しいタイプかもしれない…」と不安な方は、屋根の専門業者に診断を依頼するのもおすすめです。
プロは屋根材の材質や劣化状況を的確に判断し、最適なメンテナンス方法を提案してくれます。
屋根材を正しく見分けることが、適切なメンテナンスを行うための第一歩です。
補助金を利用したリフォームのコツ

補助金を活用することで、屋根材のリフォーム費用を抑える方法を紹介します。
屋根工事をすることで耐震性の向上・エコ・節電など、住まいの環境を向上させることが認められた場合、自治体によっては補助金がもらえることがあります。
例えば上伊那郡飯島町では「住宅リフォーム支援補助金」として、屋根の塗装、ふき替えまたは防水工事をした場合に工事費用の5%(上限10万円)の補助を受け取れる制度があります。
まずはお住まいの自治体に問い合わせてみましょう。
制度を上手に活用し、賢くリフォームを進めてください。
まとめ:屋根のメンテナンスに失敗しないために
屋根材の中には、塗装してはいけない、あるいは塗装しても効果が薄いものがあります。
こうした屋根材に無理に塗装してしまうと、かえって問題を悪化させてしまう恐れがあります。
誤ったメンテナンスをしてしまったことで、雨漏りしてしまったというケースも。どの屋根材が塗装に適していないのかを正しく理解し、適切なメンテナンス方法を選ぶことが何よりも大切でしょう。
しかし、自宅の屋根の状態を確認しようと、屋根に上るのは大変危険ですのでしないでください。
ケガや事故に繋がるリスクが高いため、専門業者に依頼して屋根の状態を調査してもらうことをおすすめします。
プロタイムズ長野若里店では屋根外壁に関する無料見積もりを承っております。外装劣化診断士が、屋根の状態や塗装が可能かどうかを正確に診断いたします。
ご自宅の屋根が塗装できない屋根材なのか不安な方や、ここ数十年屋根のメンテナンスを行ったことがない、という方はぜひ屋根外壁の無料見積もりをご活用ください。
◇外壁塗装の疑問や施工のこと、価格などお気軽にお問い合わせください◇

フリーダイヤル 0120-460-461
メールでのお問い合わせはこちら⇩から
・お問い合わせフォームに必要事項をご入力の上「送信する」ボタンをクリックしてください。
・メールアドレスは正しくご入力下さい(弊社より返信メールをお送りします。)
・【必須】の項目は必ず入力してください。
。。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・.。
ブログをご覧いただき ありがとうございます。
長野市・須坂市の塗装会社
株式会社霜鳥(プロタイムズ 長野若里店)です。
長野市・須坂市・千曲市・中野市・小布施町の
屋根塗装・外壁塗装ならお任せください!
塗装以外の内装リフォーム・お家のお悩み事も、
株式会社霜鳥にお任せ下さい!
。。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・.。