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遮熱塗料の効果がない?その理由と解決策を解説!
2024.10.22
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遮熱塗料は、夏の暑さを軽減し、エネルギーコストを削減するために多くの家庭や企業で利用されています。しかし、一部のユーザーからは「効果が感じられない」という声も聞かれます。なぜ、このような問題が発生するのでしょうか?
この記事では、遮熱塗料の効果が期待通りに発揮されない理由と、効果を最大限に引き出す方法をご紹介します。これから遮熱塗料を検討している方や、すでに使用している方にも役立つ情報を提供しますので、ぜひ最後までお読みください。
☑ 遮熱塗料は省エネ対策としても注目されている
☑ 放射熱による室内温度上昇を抑えるには遮熱塗料が有効
☑ 遮熱塗料の効果が発揮されないケースとは
☑ 遮熱の効果を最大限発揮させる方法とは
☑ 遮熱塗料は冬場に寒い、とは言えない理由
遮熱塗料の効果とは
遮熱塗料は、建物の屋根や外壁に塗布することで太陽光を反射し、室内温度の上昇を抑えるので空調負荷が緩和されます。建物の美観を保ちながらCO2排出量の削減も実現するので、日本国内では、環境省や経済産業省が推奨する「省エネ対策」としても注目されています。
夏に家の中が暑くなる仕組み
夏に家の中が暑くなる原因は、太陽からの放射熱(輻射熱)です。放射熱とは、あらゆる物体が出している熱のことで、空間を伝播し温度の高い物体から低い物体へと熱が伝わります。
太陽光が建物(特に屋根)に当たると、一部は反射されますが、ほとんどの熱は屋根材に吸収されます。この吸収された熱は、温度の高い方から低い方へ移動するため、天井を通って室内に入り込み、室内温度を上昇させます。
実際、建物内の熱移動の殆どが放射熱と言われています。室内の温度上昇を防ぐためには、屋根自体の温度を上げないか、屋根からの放射熱の影響を減らすことが重要です。
遮熱塗料の仕組みとその効果
遮熱とは、主に太陽光(日射)による放射熱の影響を防ぐことを指します。
遮熱塗料は、太陽の熱エネルギーを高いレベルで反射する性能(日射反射率)があるもので、日射反射率が高いほど屋根面の温度上昇を抑えることができます。
遮熱塗料を建物の屋根や外壁に塗布することで、太陽光を効果的に反射し、室内の温度上昇を抑える効果が期待できます。特に「夏季」における屋根や外壁の表面温度を低下させることで、室内の「冷房費」を削減できるため、経済的なメリットも大きいです。
遮熱塗料の効果は、塗料に含まれる「特殊な顔料」や「樹脂」によって決まります。これらの成分が太陽光を効果的に反射し、熱の吸収を抑える役割を果たします。
また、遮熱塗料は、外壁や屋根の温度を低く保つことで建物の構造材や塗膜の劣化を防ぐので、建物の寿命を延ばす効果も期待できます。
遮熱塗料の導入は、経済的にも環境的にもメリットが多い選択と言えるでしょう。
遮熱塗料の効果が発揮されない5つの理由
屋根材の種類
屋根の素材によって熱の伝わり易さは異なります。熱伝導率の高い金属屋根の方が、スレートやコンクリート屋根よりも遮熱効果を実感しやすいでしょう。
しかし、金属屋根でも断熱材を十分に使用している場合、熱抵抗が増すため、遮熱効果を感じにくいことがあります。
窓が大きい
窓は断熱性や気密性が悪いので、窓が大きいと外気の熱が入り夏は暑く、熱が逃げて冬は寒くなりやすいです。窓が小さいほど熱が室内へ流入する割合が少ないので、遮熱塗料の効果を感じやすいでしょう。
なお、窓のガラスを遮熱性能のある複層ガラスにする、簾やオーニングなどを利用して日射を遮蔽すると熱の室内への流入を少なくすることができます。
日が当たらない場所
太陽光が直接当たらない環境では、遮熱塗料のメリットを十分に享受することが難しいです。隣接する建物や樹木が日差しを遮っている場合などは、遮熱塗料の効果は限定的です。
また、夏は太陽高度が高いので、外壁に日射を受ける量は、実は多くありません。夕方の西日による影響が大きい場合には、西日による室内の温度上昇を防ぐので遮熱効果を実感できるでしょう。
汚れが付着している
遮熱塗料は、太陽光の反射率を高めることで優れた遮熱効果を発揮しますが、塗膜表面が汚れるとこの効果は著しく低下します。
特に工場や車両から発生する油煙は赤外線を良く吸収する性質があるため、塗膜に付着すると太陽光の反射率が大幅に低下し、遮熱性能が減少します。
明度が低い色
遮熱塗料の性能は色によって変わります。明度の高い色の塗料は太陽光をよく反射するため、高い遮熱効果を発揮します。具体的には、白や白に近い色の塗料ほど日射反射率が高く、建物の表面温度を効果的に下げます。
一方、明度の低い黒っぽい色は太陽光を吸収しやすく、表面温度が上がりやすいです。そのため黒系の遮熱塗料は、白系の遮熱塗料に比べて遮熱性能が劣ることが一般的です。
遮熱塗料の効果的な選び方
色(明度)
遮熱塗料を選ぶ際には、遮熱効果を最大限に引き出すために、まず製品の「反射率」を確認しましょう。反射率が高いほど太陽光を反射し、建物の温度上昇を抑えます。
それには塗料の色も選定のポイントです。明るい色は反射率が高く、遮熱効果が期待できますが、屋根色に白や明るい色は選びにくいかもしれません。そんな時はグレー系がおすすめです。
塗料メーカーの遮熱塗料の色サンプル帳には、色ごとに日射反射率が表記されていますので、色選びの参考にしてみてください。
グレードと耐用年数
遮熱塗料の選び方には、「グレード」と「耐用年数」が重要です。一般的に、遮熱塗料は高グレードほど効果が高く、耐用年数も長いです。例えば、シリコン系やフッ素系の遮熱塗料は、高い遮熱効果を持ち、耐用年数も10年以上とされています。一方、アクリル系の遮熱塗料はコストパフォーマンスに優れるものの、耐用年数は約5年程度です。
- アクリル系…6年
- ウレタン系…8年~10年
- シリコン系…10年~15年
- フッ素系…15年~20年以上
遮熱塗料は耐用年数が短いものほど性能が低いため、短い期間で塗り直しを行う必要があります。「長く効果を持続させたい」という場合であれば、なるべく耐用年数が長いものを選びましょう。
また、遮熱塗料の選定には、建物の用途や立地条件も考慮する必要があります。例えば、工場や倉庫などの大型施設では、高グレードの遮熱塗料を選ぶことで、冷房コストの削減が期待できます。一方、住宅の場合は、コストと効果のバランスを考慮し、中グレードの製品を選ぶことが多いようです。
遮熱塗料が特に有効な建物の特徴
遮熱塗料は住宅や工場などの建物の屋根に適しています。夏場の直射日光を多く受ける屋根に塗ることで、室内温度を効果的に下げることができます。特に工場や倉庫など大きな屋根を持つ産業施設では、遮熱塗料を塗布することでエネルギーコストの削減ができます。快適性が向上することで、作業効率の向上も期待できます。
さらに、遮熱塗料は建物の耐久性を向上させる効果もあります。特に、屋根や外壁が熱で膨張しやすい金属素材の場合、遮熱塗料を使用することで熱によるダメージを防ぐことができます。さらに、遮熱塗料は紫外線による色あせやひび割れも軽減するため、建物の美観を長持ちさせる効果も期待できます。
汚れの影響について
汚れは遮熱塗料の効果を減少させる要因です。塗料の表面が「汚れ」で覆われると、反射率が低下し、かえって熱を吸収しやすくなります。そのため、定期的な清掃やメンテナンスが必要です。
特に工場地帯など「大気汚染」がひどい地域では、汚れが付きやすく、遮熱効果が早期に減少することが考えられます。低汚染機能など、汚れがつきにくい機能を備えた遮熱塗料を選ぶのがおすすめです。
適切な色選びと定期的なメンテナンスを行うことで、遮熱塗料の効果を最大限に引き出すことができます。
遮熱塗料を使うと冬場は寒い?
遮熱塗料は太陽光を反射して建物の温度上昇を抑えるため、冬季には寒くなるのではないかと心配される方もいます。
しかし、冬季の日射量は夏季のおよそ1/2と少ないため、遮熱塗料が冬の寒さに与える影響はそれほど多くはありません。
加えて、夏の太陽は高い位置にあります。日射の入射角度が90°に近いほど、大地や屋根は多くの熱量を受けます。つまり真上から受ける太陽光が一番熱いのです。一方、冬季は太陽の位置が低く、入射角度が浅いため、同じ面積でも受ける熱量が減少します。そのため、冬季の寒さへの影響は限定的なのです。
実際、遮熱塗料を屋根に使用しても冬季の暖房に関する空調電気使用料にほとんど差がないと言われています。
まとめ:遮熱塗料の利用で快適な生活空間を実現しよう
遮熱塗料は、建物の内部が暑くなるのを防ぎ、特に夏場のエネルギー消費が大幅に削減できるため、経済的なメリットも大きいです。
夏の暑さが年々厳しくなり、またエネルギー価格が高騰する中で、遮熱塗料の使用はこれらの問題を解決する手段としても有効です。遮熱の効果を最大限に引き出せるよう、塗布する色や場所をよく検討しましょう。
どんなに高性能な遮熱塗料を選んでも、適切な施工が行われなければ、その効果は十分に発揮されません。遮熱塗料は一般的な塗料よりも施工に技術力が必要な塗料です。技術力が低い職人が施工すると塗りムラなどが発生して、遮熱効果を最大限発揮するのが難しくなることもあります。
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