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アスベストと言えばオフィスビル、商業施設、工場、倉庫などの断熱材として使われていたことは広く知られていますが、戸建て住宅においてもアスベスト入りの建材が多く使用されていました。

特に1970~2000年代初頭の建物では、セメント系の外壁材や軒天材にアスベストが含まれているケースが珍しくありません。しかし、見た目では判断が難しく、リフォームや解体時に初めて気付くことも。
もしご自宅にアスベストが使われていたらどうすればいいのでしょうか。

本記事では、アスベスト入りの外壁材・軒天材の見分け方や確認方法、代表的な製品、見つけた場合の対応方法までを詳しく解説します。

この記事のPOINT

☑ アスベストは住宅の外壁や屋根、軒天に使われていた
☑ アスベスト入りかどうか確実に判断するには専門業者による調査が必要
☑ 建材に含まれるアスベストは、通常の生活環境では、繊維が飛散するリスクが非常に低い
☑ リフォーム・メンテナンスの方法は、塗装、カバー工法、張り替え

アスベスト入り外壁材・軒天材が使われていた時期と理由

アスベスト建材の使用は2004年以前が中心です。

使用禁止になるまでの経緯

年代内容
1995年吹き付けアスベストなどの使用禁止(レベル1建材)
2004年10月含有率1%以上のアスベスト建材が製造・使用禁止に(外壁・軒天も含む)
2006年原則すべてのアスベスト使用が禁止に
2012年全例外措置も廃止。完全禁止へ
2022年4月解体・改修前の石綿事前調査・結果報告が、作業の規模にかかわらず義務化される

主に住宅のどんな場所に使われていた?

施工部位建材の種類
屋根住宅屋根用化粧スレート
外壁窯業系サイディング
押出成形セメント板
モルタル
仕上塗材
下地調整材(フィラー)
軒天 けい酸カルシウム板第1種

ほかにも煙突や内装材(天井、壁)床材にも使用されていました。

なぜ外壁や軒天にアスベストが使われたのか?

アスベストは以下のような特徴を持ち、外装材に非常に適していました。
 ● 高い耐火性、耐熱性
 ● 耐候性(雨や紫外線に強い)
 ● 強度・耐久性の向上
 ● 防音・断熱性能
 ● セメントと混ぜやすく、安価で加工が容易

このため、窯業系サイディング(外壁)や軒天材によく使われました。
特に軒天は、より耐火性を求められることからアスベストが含まれていることは非常に一般的で、実際の調査でもよく見つかる部位です。

また塗膜のひび割れや施工時のダレを防止するために、仕上塗材や下地調整材に少量のアスベストを添加材として使用されていた時期があります。
同様に、モルタルの性能や施工性を向上させるための混和剤としてアスベストが使用されていた時期があります。

外壁・軒天のアスベストを見分ける方法

外壁材や軒天にアスベストが含まれているかどうかは、見た目では分からないケースがほとんどです。
しかし建物の築年数が分かれば、アスベストが使われている可能性をある程度判断することができます。

築年数と外壁材の種類から判断する

建物の建築年が1970〜2004年頃であれば、アスベスト含有建材が使われている可能性が高いです。
一般に製造年代が古いほど石綿含有率は高いです。
2004年にアスベスト含有率1%超の製品の製造・使用禁止となり、多くの屋根材や建材がここで終了しました。
原則すべてのアスベスト製品の使用禁止となった2006年以降の建物であれば、基本的にノンアスベスト製品が使われています。

アスベストが使われていた可能性が高い外壁材には、具体的に以下のようなものがあります。

・リシン・タイル・スタッコ 1970年〜1999年までの新築工事や改修工事で多く見られる
・フィラー
(下地調整剤) 1970年〜2005年までの新築工事や改修工事で使用されていた
けい酸カルシウム板 第1種(ケイカル板) 
 準防火地域の軒裏や軒天井材に多く使われている
・押出成形セメント板  1990〜2000年代前半に公営住宅や集合住宅でも標準的に使用されていた
・窯業系サイディング  1995年~2004年が最盛期。新築・リフォームともに採用が拡大した
・スレート波板    工場や倉庫の外壁や屋根に用いられている、波型のスレート

製品名や図面から確認する

アスベストが使われている建材は、国土交通省ホームページ「石綿(アスベスト)含有建材データベース」でも調べることが可能です。 建材名、製品名、製造時メーカー名、現在メーカー名、型番・品番のいずれかを入力すれば簡単に検索できます。
製品名などは、建築時の図面が残っていれば記載されていることがありますので探してみましょう。
製品名が分かれば、メーカーに問い合わせてアスベスト含有の有無を確認することも可能です。

専門業者によるアスベスト調査

しかし、見た目や書類だけで確実に判別することはできません。たとえばモルタルの混和剤や下地調整材は、図面や仕様書にメーカーや名称が記載されていない場合も多く、その種類も多いため、見た目や建築の時期からアスベスト含有の有無を判断することは難しいです。

確実に判別するには専門の調査業者による分析調査が必須です。

調査は、屋根材の一部を採取し、分析機関でアスベストの種類や含有率を定量的に測定します。費用は概ね数万円程度で、結果は2週間程度で判明します。

アスベストが判明した場合の対応策

すぐにやるべきこと・やってはいけないこと

アスベストが使われていると分かっても、すぐに撤去しなければならないというわけではありません。

アスベスト建材は、飛散性の高さやリスクの大きさによって3段階に分類されています。
外壁材や軒天として使用されていたアスベスト含有建材はアスベストレベル3に該当します。アスベストをセメント等に少量混ぜて成形したもので、通常の使用状態では飛散リスクは低いとされています。

 ● 通常の生活環境では繊維が飛散するリスクが非常に低い
 ● 触らず、壊さなければ健康被害の心配はほとんどありません

しかし、DIYや素手・マスクなしでの屋根材の触れたり壊したりする行為は絶対に避けてください。

 ● 破損していなければそのまま放置し、触らないことが最も安全です
 ● 割れや粉化が進んでいる場合は専門業者に相談しましょう
 ● 自分で剥がす・削る・高圧洗浄するのは厳禁です

含まれていた場合の対処方法

 アスベストりの建材は、劣化が進むと以下のリスクが高まります。

 ● 塗膜の剥離や表面の粉化によりアスベスト繊維が露出する
 ● ひび割れや欠けが起きると繊維が空気中に飛散する恐れがある
 ● 破損部分に近づいたり、DIYでの補修や洗浄を行うと健康被害のリスクが増加する

以下のような状況では建材に含まれるアスベストが飛散する恐れがあるため注意が必要です。

外壁がひび割れていたり、崩れている

通常、外壁材に含まれるアスベストはセメントなどで固定されているため、すぐに飛び散るようなものではありません。
しかし、経年劣化によって表面が割れていたり、崩れて粉が吹いているような場合は要注意。
その部分からアスベスト繊維が漏れ出す可能性があるため、封じ込め(表面塗装やカバー工法)などの処置を検討する必要があります。

外壁塗装で高圧洗浄を行うとき

塗装工事前の高圧洗浄は、外壁の汚れや旧塗膜を除去するために行われますが、アスベストを含んだ外壁材に高圧水を当てると、繊維が削れて飛散・流出するリスクがあります。
そのため、塗装前に高圧洗浄を行う予定がある場合は、アスベストの有無を事前に調査しておくべきです。

外壁を張り替えるとき

外壁の張り替え工事では、既存のサイディングを撤去する作業が発生します。
このとき、建材をカットしたり割ったりすることでアスベストが空気中に飛散する危険性が急激に高まります。
古い戸建て住宅に多い窯業系サイディングは、2004年以前に施工された場合、アスベストが含まれている可能性があるため、事前に調査を行い、必要な対策(湿潤化や養生など)を講じることが重要です。

リフォームの種類と特徴

アスベストがある外壁をメンテナンスする方法は、主に3つあります。外壁の状態でリフォームの方法は変わってきます。業者とよく相談しながら判断しましょう。

方法内容メリット・デメリット
塗装塗装により封じ込める
損傷が激しくなく飛散リスクが低い場合に可能
低コスト。将来的には根本的な除去が必要になる
カバー工法外壁材の上から新しい外壁材を張る方法
飛散防止と外観改善を同時にでき、比較的コストも抑えられる
飛散リスク低減。比較的安価で施工期間も短い。
状態によってはカバー工法が難しいことも
撤去・張り替えアスベストの外壁材を完全撤去し新しい外壁材に交換根本解決。コスト高く、法令による届出と厳重な管理が必要。

専門業者への依頼と法令遵守の重要性

建築物の改修・解体工事を行う場合、一部の例外を除いてアスベスト含有の事前調査を実施し、その結果を都道府県に報告する義務があります。
またアスベストを含む建材の撤去や封じ込めには、労働安全衛生法や大気汚染防止法に基づく届出が義務付けられています。
必ず石綿作業主任者など有資格の専門業者に依頼し、安全に作業を進めましょう。

自治体によっては、アスベスト除去に対する補助金が用意されていることがあります。事前に自治体に確認し、補助金を利用することで、除去費用を抑えることができる場合もあります。

まとめ

ご自宅の外壁や軒天材にアスベストが含まれているかは、築年数や製品名などが分かる場合は推測できることがありますが、確実な判別には専門調査が必須です。

もしご自宅の屋根材にアスベストの可能性がある場合は、慌てて撤去する必要はありませんが、状態の確認や適切な対応をとることが大切です。
アスベストは健康リスクが高いため、破損・劣化が進んでいる場合はカバー工法や撤去工法での対応が望ましいです。安全な住まいのために、必ず専門業者に相談して適切な処置を行いましょう。

当社では、「一般建築物石綿含有建材調査者」や「石綿作業主任者」の資格を持つスタッフが在籍しており、調査から適正な対策のご提案まで一貫して対応しています。
安全を確保しながらのリフォームも可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。

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