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冬の住まいが寒いことは、高齢者の健康状態や要介護度の変化と大きく関係しています。

近年の研究では、住宅内の寒さや部屋ごとの温度差が、高齢期の身体機能や生活の質に影響を与えている可能性が示されています。

特に冬の住宅では、次のようなリスクとの関連が指摘されています。

  • 要介護度の悪化
  • 家の中での転倒リスクの増加
  • 活動量の低下による身体機能の衰え


こうした背景から、冬の住宅内環境を改善することは、介護予防や健康寿命の延伸につながる可能性があると考えられています。

この記事では、最新の調査結果をもとにその背景を解説し、住まいの寒さを改善するための有効なリフォーム方法をご紹介します。

この記事のPOINT

☑ 冬の住宅内の寒さと要介護度悪化の関連
☑ 家の中で寒くなりやすい場所
☑ 高齢者ほど寒さを自覚しにくいという実態
☑ WHOが示す冬の室温の目安
☑ 住宅の寒さ対策としての窓・断熱リフォーム

冬の住宅内が寒いことは、要介護度悪化の「一つのリスク要因」

まず大切なのは、「寒い家に住んでいる=必ず要介護になる」わけではないという点です。

しかし、日本の地域在住高齢者を対象とした縦断研究「住宅内温熱環境の主観評価と要介護度の変化の関連」では、冬の住宅内環境を「寒い」と感じている高齢者ほど1年後に要介護度が悪化しやすい傾向が統計的に示されています。

この研究は、寒さが直接の原因だと断定しているわけではありません。
それでも、年齢や性別などの影響を考慮したうえでも、「住まいの寒さ」と「健康状態の変化」との間に、明確な関連が見られた点は重要です。

つまり、住まいの寒さは、高齢者の健康と無関係ではなく、むしろ無視できない影響要因の一つだと考えられるのです。

寒い家に住む高齢者ほど、要介護度が悪化しやすい理由

研究では、「寒い」と感じている高齢者ほど、将来的に要介護度が悪化する傾向が確認されています。その背景として、次のような変化が重なっている可能性が指摘されています。

  • 寒さによる血圧の上昇
  • 外出や家事を控えることによる活動量の低下
  • 筋力やバランス能力の低下


これらが積み重なることで、身体機能が徐々に低下し、介護が必要な状態へ進みやすくなると考えられています。

冬の室温と「家の中での転倒リスク」

要介護状態へ進むきっかけとして多いのが、家の中での転倒です。

別の国内研究では、冬季に住宅内が寒い、または暖房が入らない空間が多い住宅ほど、高齢者が自宅内で転倒を経験する割合が高いことが報告されています。

寒い環境では、

  • 筋肉が冷えて動きが硬くなる
  • 反応が遅れやすくなる
  • 血圧変動によるふらつきが起こりやすい


といった変化が起こりやすくなります。
暖かい住環境は、転倒リスクを下げる一因にもなり得ると言えるでしょう。

高齢者が「寒い」と感じやすい場所はどこか

研究や調査で多く挙げられているのが、次のような場所です。

  • 廊下・階段
  • 脱衣所
  • トイレ
  • 浴室


いずれも、暖房が入らない「非居室空間」です。
つまり、居間は暖かいが、家の中に寒い場所が点在している住宅が非常に多いという実態が見えてきます。

このような、
 ・室内の温度差が大きい
 ・暖かい場所と寒い場所を頻繁に行き来する
住環境は、高齢者の身体にとって大きな負担になりやすいのです。

現場でも実感する「部分暖房」の限界

これは、私たちが住宅点検を行う現場でも非常によく感じる点です。
特に築20~30年以上の住宅では、家全体を暖めようとすると暖房費がかかるため、

「リビングだけ暖房、他の部屋は我慢」という暮らし方が、長年の習慣として定着しているケースが少なくありません。

結果として、家の中の温度差が大きくなり、寒さによるリスクが残ったままになってしまいます。

「十分な暖かさの住環境」をつくることが重要

断熱改善は健康状態の改善につながる

日本サステナブル建築協会が、国土交通省補助事業「スマートウェルネス住宅促進事業」として2014年から続けている調査では、住宅の断熱性能が高い、または断熱改修を行った住宅に住む人ほど、

  • 冬の室内温度が安定しやすい
  • 血圧や生活の質(QOL)が改善する傾向


が確認されています。
断熱性能を高めることは、寒さを和らげるだけでなく、健康状態の維持・改善につながる可能性がある
という点も、近年の重要な知見です。

目安はどの部屋も18℃以上

WHO(世界保健機関)は、冬の室温は18℃以上を目指すべきだと勧告しています。
これは単なる目安ではなく、健康を守るための国際的なガイドラインです。

重要なのは、
 ・一部の部屋だけ暖かいことではなく
 ・家の中のどこにいても、極端な寒さを感じないこと

特に高齢者や子どもには、18℃より高い室温が望ましいとされています。

その一方で、高齢になると、暑さや寒さを感じ取る感覚が弱くなり、実際の室温と体感温度にズレが生じやすくなります。
全国調査では、高齢者ほど「寒い」と感じていない、あるいは寒さを訴えないケースが多い一方で、実際に室温を測定すると18℃を下回っている住宅が少なくないことが報告されています。

つまり、「寒さを我慢できているかどうか」ではなく、温度計などで室温を客観的に把握し、適切な室温を保てているかどうかが重要だと言えます。

長野県の家が寒くなりやすい理由

長野県の住宅が寒く感じやすい背景には、これまでの日本の家づくりの考え方があります。

日本の住宅は、冬よりも「夏の暑さや湿気」を重視してきたため、風通しを優先した構造が多く、断熱が十分でない家が多く残っています。

また、築年数の古い住宅では、当時の断熱基準が現在ほど厳しくなく、寒冷地として十分に想定されていなかったケースも少なくありません。

実際、都道府県別の在宅中の平均居間室温を見ると、長野県は約16.5℃と、WHOの勧告値を下回っています。

暖かい家するための具体的なリフォーム方法

住宅内が寒いと暖房のある部屋に閉じこもりやすくなり、生活範囲が狭まり、座って過ごす時間が増える傾向があります。

暖房の使用も大切ですが、廊下や脱衣所など非居室空間の寒さには、断熱改修による住環境全体の改善が効果的です。

窓の対策をする

住宅の中で最も熱の出入りが大きいのが窓です。
どれだけ壁や屋根に断熱を施しても、窓の性能が低いままでは室内の暖かさは保てません。

  • 窓ガラスの交換
  • 内窓の取り付け
  • 窓の交換(サッシ)


といった対策で、冷気の侵入を抑え、暖房効率の向上や健康リスクの軽減が期待できます。

実際、当社の施工エリアでも「内窓をつけただけで、結露や寒さがかなり和らいだ」という声を多くいただいています。

壁・床・天井(屋根)の断熱

断熱材は、住まいの中と外の温度差をやわらげる役割があります。
夏は外からの熱が室内に入りにくくなり、冬は暖房で暖めた空気が外へ逃げにくくなります。

外気の影響を受けにくくなり、室温が安定しやすくなることで、冷暖房に頼りすぎない快適な住まいにつながります。

初期費用は「補助金」を活用できる場合も

断熱リフォームは、内容によって国や自治体の補助金制度を利用できるケースがあります。

 ・先進的窓リノベ2025事業
 ・子育てグリーン住宅支援事業
 (長野県)信州健康ゼロエネ住宅 など

補助金を活用することで、費用負担を抑えながら断熱改修を進めることも可能です。

まとめ

近年の研究では、冬の住宅内の寒さが、高齢者の健康状態や要介護度の変化と関係している可能性が明らかになりました。

寒さを我慢する住まいではなく、寒さを感じさせない住環境を整えることは、健康寿命を延ばし、将来の介護リスクを減らすための一つの選択肢です。

断熱リフォームは、家全体の寒さや温度差を和らげ、無理のない暖房で快適に暮らすための方法です。
内窓の設置や窓まわりの断熱強化など、効果の出やすい部分から少しずつ取り入れることも可能です。内容によっては補助金制度を活用できる場合もありますので、費用面の不安を抑えながら断熱リフォームを検討できます。

これから先も安心して暮らせる住まいづくりの第一歩として、今の住まいの寒さについて、一度相談してみるという選択肢も考えてみてはいかがでしょうか。

断熱リフォーム施工事例>>内窓設置工事(長野市)
浴室リフォーム工事(小谷村)

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