建物の外壁は、常に自然の厳しい条件にさらされています。太陽の紫外線、猛烈な雨風、そして温度差によって、外壁の塗膜は徐々にその強度を失っていきます。これらの影響で、外壁に現れる劣化のサインの一つが「チョーキング」です。

チョーキングが起きたからといって、すぐに修復が必要なわけではありませんが、この状態を放置すると、外壁の保護機能がさらに低下していきます。
本文では、チョーキングの原因と、それを解消するための補修方法について詳しく解説していきます。

外壁チョーキング現象の基礎知識

チョーキング現象は、外壁の塗膜が経年劣化で粉を吹くようになり、まるで白いチョークの粉を指でなぞったときのような跡が現れることを指します。「白亜化現象」とも呼ばれます。
特に日光が強く当たる場所では、この兆候が顕著に現れることが多いです。

チョーキングは塗膜の防水性が低下している状態を示しています。そのままにしておくとカビや苔、藻が発生しやすくなり、最悪の場合、建物内部への水の浸入や構造へのダメージを引き起こす可能性があります。

なぜ外壁はチョーキングを起こすのか？

経年劣化によるチョーキング現象

外壁の塗装は時間と共に劣化してきます。
この白い粉の正体は、紫外線や雨風といった外的要因により塗料の中の合成樹脂が分解され、顔料が粉状になり塗装表面に現れたものです。
これは、塗膜の主成分が経年変化により弱まり、結果として塗装がその保護機能を失い始めることに起因しています。
紫外線は特に影響が大きく、外壁の塗装に直接当たることで塗膜の分解を加速させます。
また、雨風にさらされ続けることで塗膜は徐々に脆くなり、最終的にはチョーキングとして白い粉が見られるようになります。

施工不良によるチョーキング現象

施工後わずか1～3年でチョーキングが起こる場合、工事の際の手抜きやミスが原因であることが多いです。

具体的には、高圧洗浄での汚れ落とし後に適切な乾燥時間を確保していなかったり、塗装前の下地処理が不十分だったりすると、塗料の密着性が落ち、早期にチョーキングを引き起こすことがあります。
また、塗料を十分に撹拌せずに使用すると、成分が均一に混ざらずに性能が低下することもあります。
施工不良は、塗料の保護機能を低下させ、外壁の寿命を縮める原因となります。

外壁チョーキングの発見方法

外壁に手で触ってみる

チョーキングの有無を確かめる最も簡単な方法は、外壁に手を軽くあてて撫でることです。
この際、手にわずかな白い粉がつく程度ならば、すぐに塗り替える必要はありません。
しかし、手のひら白くなるほどの粉が出る場合は、外壁の防水性が損なわれているサインです。
そのような状況では、建物を保護するためにも早めに塗り替えを検討します。
この簡単なチェックを定期的に行うことで、外壁の健康状態を把握し、適切なメンテナンス時期を見極めることができます。

水で濡らしてみる

外壁が雨や水によって色が変わる様子は、チョーキング現象の兆候を示しています。
これは、塗装表面の劣化により発生し、塗膜の成分が水と反応して色が変わることが原因です。
この変色を確認する際は、直接水をかける方法よりも、自然な状態で観察することをおすすめします。
なぜなら、人工的に水をかけると、外壁材にダメージを与える可能性があるからです。
安全かつ正確にチョーキングを確認するためには、専門家に相談することも一つの手段です。専門家であれば、適切な方法で外壁の状態を評価し、必要な対策を提案してくれるでしょう。

外壁の補修方法と費用

チョーキングはただ単に粉を洗い流すだけでは解決にはなりません。
塗膜そのものの機能が損なわれているため、適切な補修が必要です。

補修の基本は、外壁を新たに塗り替えることです。
まずは、外壁の状態を専門家によって評価してもらい、適切な補修を検討する必要があります。
一般的な戸建て住宅でよく用いられるシリコン塗料は耐久性が高く、塗り替えにかかる費用はおおよそ100万円から130万円掛かります。
ただし、これはあくまで目安であり、建物の大きさや塗装する範囲、塗料のグレードなどによって変動します。

チョーキングしない塗料はあるのか？

クリヤー塗料

クリヤー塗料は、顔料を含まず透明なため、チョーキングを引き起こす主な原因である顔料の劣化がありません。
そのため、チョーキングの兆候を見せることなく、外壁の美観を長期間保つことが可能です。
しかし、クリヤー塗料がチョーキングを起こさないとはいえ、経年による劣化は避けられず、紫外線の影響を受けて徐々に性能が低下してきます。
したがって、外壁を守るためには、定期的なメンテナンスが必要であり、クリヤー塗料も例外ではありません。

ラジカル塗料

チョーキングを抑える技術が進化しており、ラジカル塗料がその一例です。
ラジカル塗料は、外壁の塗装面で発生する活性酸素などのラジカルを抑制する機能を持っています。
活性酸素は塗料の分解を促進し、チョーキングの原因となるため、これを制御することで塗料の耐久性を高めることが可能となります。

この塗料を使用することで、外壁の美観を長期間保つことができ、メンテナンスの頻度を減らすことにも繋がります。
住宅や建物の外壁を保護するためには、適切な塗料選びが重要であり、ラジカル塗料はその選択肢の一つとして考慮に値するでしょう。

悪徳業者によるチョーキング現象のトークに注意！

外壁の劣化を示すチョーキング現象が見られたからといって、直ちに重大な問題があるわけではありません。悪徳業者はこのチョーキングを不当に大げさに説明し、建物が深刻なダメージを受けているかのように装い、不安を煽って契約を迫ることがあります。
手に付く白い粉があるだけで、即座に塗装が必要とは限りません。

このような業者に出会った場合は、冷静になり、すぐに契約をすることがないようにしましょう。

まとめ

「チョーキング」という現象についてお伝えしてきました。
このチョーキングとは、外壁の塗装面が粉を吹いたように白くなる現象で、外壁の塗料が太陽の紫外線や雨風によって劣化し、塗料の成分である顔料が粉状になって表面に出てくることを指します。

この状態が見られた場合、塗装の耐用年数が近づいている可能性があり、塗り替えのタイミングを考える良い指標になります。実際に外壁に手を触れてみて、白い粉が手につくようであれば、塗装の専門業者に相談することをおすすめします。
しかし、チョーキングがあるからといって、すぐに塗り替えが必要というわけではありません。それは、外壁の劣化が進行しているサインの一つに過ぎず、状況によってはまだ塗り替えを行わなくても大丈夫な場合もあるからです。

重要なのは、チョーキングを見つけたら、慌てずに専門家の意見を聞き、適切な時期に塗り替えを行うことです。また、チョーキングを理由に不必要な塗り替えを急かす業者もいるため、複数の意見を聞くなどして慎重に判断することが大切です。

自分で確認できない場所や、本当に塗装が必要なのか判断に迷ったら、専門家による無料見積もりをご利用ください。外装劣化診断士の資格を持つスタッフが劣化状況を正確に診断し、診断結果を分かりやすい写真付きの報告書でお伝えします。
プロタイムズ長野若里店は地域に特化した塗装業者で、地域で3,000件以上の実績を持つ優良塗装業者です。外壁の劣化症状が気になってきたら、私たちプロタイムズ長野若里店にお気軽にお問い合わせください。

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