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木々が色づく秋が過ぎ去り、冬の寒さが訪れると、室内でストーブなどの暖房器具を使うようになります。この季節になると、家の中で気になるのが結露の問題です。
結露は単に窓ガラスに水滴がつくという面倒な現象にとどまらず、カビやダニの繁殖を促し、家の建材を傷める原因となり得ます。
結露を放置することで起こる影響や、日常できできる対応方法、プロがおすすめする結露対策などを詳しく解説します。

この記事のPOINT

☑ 結露の原因と発生するメカニズム
☑ 結露放置が及ぼすリスクとは
☑ 日常でできる結露対策と対策グッズ
☑ プロが教える!結露対策建材

結露が発生する原因とそのメカニズム

結露は、室内の温かい空気が冷たい表面に触れた際に、水蒸気が水滴に変わる現象です。
この変化は、空気が持つことのできる「飽和水蒸気量」を超えた時に起こります。

外壁劣化診断士石井

たとえば、冷蔵庫から取り出したばかりの冷たいビールをグラスに注ぐと、グラスの外側に水滴が現れます。
これも結露の一例です。

結露が発生するかどうかは、温度と湿度のバランスに大きく左右されます。
低温であればあるほど、空気が保持できる水蒸気量は少なくなり、結露が生じやすくなります。
しかし、湿度が低い場合は、水蒸気の量が少ないため、結露はあまり生じません。
反対に、温度が高い環境では、結露は少なくなります。
サウナのように湿度が非常に高い場合は、水蒸気が飽和状態に達し、結露が発生することがあります。

このように、結露は温度と湿度のバランスによって生じる自然現象なのです。

日常生活で結露が起こりやすい場所

結露を生じやすい建物は、断熱性が低い古い住宅や、温度差が激しくなる建物です。
主な原因は外と窓ガラス温度差や、壁と壁裏の温度差、天井と天井裏の温度差などで起こります。
時には雨漏りと勘違いするほどの水滴となって現れます。
また、結露が生じやすい場所は、キッチンやバスルームなど、水蒸気が多く発生する場所です。
灯油ファンヒーターをはじめ、冬場に鍋をしたり、シャワーを浴びた後の湿った空気が冷えた壁面に触れることで結露が発生しやすくなります。

表面結露と内部結露

実は結露という現象、私たちの住環境において2つの形態が存在します。
それは、目に見えやすい場所で発生する表面結露と、目に見えにくい内部の構造物で発生する内部結露です。
表面結露は、寒い冬の日に暖房が効いた部屋の窓ガラスに霧がかかるように水滴が現れる現象です。
これは、室内の暖かい空気が冷たいガラス面に触れて水蒸気が凝縮することにより生じます。
これに対し、内部結露は、壁の中や床下など、日常的には目にすることのない場所で発生します。
ここでは、室内の温かい湿った空気が冷たい外壁に触れ、水蒸気が凝縮して水分となるのです。

結露

内部結露は特に厄介で、発見が遅れると建物の構造部分に損傷を与える可能性があります。

現代の住宅は気密性が高く、断熱材も高性能なため、内部結露が生じやすい環境にあります。
この問題に対処するためには、適切な換気と湿度管理が不可欠です。
湿気を過剰に生じさせず、室内の空気を定期的に入れ替えることで、結露のリスクを減らすことができます。

表面結露に関しては、冬季に壁や天井の表面に発生しやすく、これがカビやダニの増殖に直結します。カビは特に25~35℃の温度と75%以上の湿度を好み、現代の住宅では年間を通じてそのような条件が整いやすいため、表面結露はカビの発生にとって理想的な環境を提供しまいます。

「結露放置」が引き起こす家屋への影響

外壁劣化診断士石井

結露を放置すると、住宅の損傷につながる可能性があります。
長期的には家の構造自体にまで悪影響を及ぼす可能性があります。


内部結露は水分が壁内部に浸透し、断熱材を劣化させたり、金属部分の錆びを引き起こすことが挙げられます。断熱材の劣化は性能の低下を招き、冬場の暖房効率を落とします。
結果として光熱費が上がってしまうかもしれません。
内部で起こるので、簡単な修復が困難であり、場合によっては壁の全面的な張り替えが必要になることもあります。
特に木材を使用した構造部分に結露が触れ続けると、木の腐食や強度の低下が起こります。
腐食菌やシロアリが発生し、家の寿命を縮めます。
最悪の場合、建物の安全性が損なわれることもあり得ます。

健康への影響も!結露放置が及ぼすリスク

結露を見過ごすことは、家の中の健康リスクを高める原因となり得ます。
壁や床に現れる結露は、カビの成長に最適な湿度を提供します。そして、カビの存在は、ダニやチャタテムシなどの害虫を引き寄せることに繋がります。

これらの微生物や虫は、アレルギー反応を引き起こす物質を放出します。
そのため、シックハウス症候群やアトピー、アレルギー性皮膚炎などの症状が発生するリスクが高まります。特に、ぜん息はカビの胞子によって誘発されることが多く、ダニはカビを食べるため、カビが増えればダニも増えるという悪循環が生まれます。
これは特に小さな子供や高齢者がいる家庭にとって、深刻な健康上の問題を引き起こす可能性があります。
また、カビは家の美観を損ねるだけでなく、壁紙や家具を傷つける原因にもなります。湿気が壁紙を剥がしたり、家具にシミをつくったりして、住環境を損なうことがあります。
結露の問題は単に見た目の問題ではなく、住む人々の健康にも深刻な影響を及ぼす可能性があるため、適切な対策が必要です。湿度管理や換気を心がけることで、結露を減らし、健康リスクを低減させることができます。

日常でできる結露対策とは?

温度差をつくらない!湿度を高くしすぎない

室内で温度差による結露を防ぐためには、温度管理が極めて重要です。
快適な室内環境を保つために、湿度は40~60%を目安に保つことが推奨されており、これを超えるとカビのリスクが高まるため注意が必要です。
特に、温度が25℃の際に湿度が70%を超えるとカビが早く繁殖するため、温湿度計を使って常にチェックし、必要に応じて除湿器を使用することが賢明です。

冬の乾燥する季節には加湿器が役立ちますが、湿度が高すぎると結露の原因になり得るため、除湿器で湿度調整を行うことが結露防止に繋がります。
また、暖房器具の使い方にも気を配りましょう。石油ストーブやガスストーブは使用時に湿度を上げるため、結露を避けたいのであればエアコンやハロゲンヒーターなどの電気式暖房器具が適しています。

さらに、窓に断熱シートを貼ったり、雨戸を利用することで外気の影響を抑え、室内温度の均一化に努めることも大切です。
暖房を使用する際には、サーキュレーターを活用して空気を循環させ、押し入れや家具の裏側など温度の低い場所ができないようにすることが効果的です。
これにより、室内のあらゆる場所で温度が均一になり、結露が発生しにくい環境を作ることができます。

こまめに換気する

室内の空気を新鮮に保つため、定期的な換気が欠かせません。外気を取り入れることで、室内の湿度を低下させ、結露を抑えることが可能になります。結露は、湿気が窓ガラスなどの冷たい表面に触れて水滴となる現象です。この水滴がカビの成長や家の劣化を招くため、換気による湿度管理は重要です。

特に、キッチンでの調理やお風呂の後、洗濯物を室内に干す際は湿度が急激に上昇します。このような時には積極的に窓を開けたり、換気扇を利用したりして、湿った空気を外に排出しましょう。また、冬場に窓を開けることに抵抗があるかもしれませんが、5~10分の短時間換気でも十分効果があります。家の複数の窓を開けて通り道を作ると、さらに換気の効率が上がります。

理想としては、1時間ごとに室内の空気を入れ替えることが望ましいです。寒い時期でも、短時間であれば室内の温度を大きく下げることは少なく、結露防止に役立ちます。常に清潔な空気を保ち、快適な室内環境を維持するためにも、こまめな換気を心がけましょう。

結露対策グッズを使う

外壁劣化診断士石井

快適な住まいを実現するためには、結露を防止することが重要。
そこで役立つのが、結露を防ぐための様々なグッズです。
ここでは、手軽に試せるものから専用のアイテムまで、5つの結露防止グッズをご紹介します。

まず、身近な素材として活用できるのが新聞紙です。
新聞紙を窓のレール部分に敷くことで、夜間の結露を吸収し、朝には取り除くだけで対応できます。
簡単ながらも効果的な方法と言えるでしょう。

次に、梱包用のエアーキャップ(プチプチ)ですが、これを窓ガラスに貼ることで断熱効果を発揮し、結露の発生を抑制できます。
見た目は少々目立ちますが、冷気の遮断には一定の効果を期待できるでしょう。

市販されている結露防止シートは、窓に貼るだけで断熱性を向上させ、結露を予防することが可能です。水貼りタイプで設置も手軽であり、3層構造のものは外気の冷たさを効果的に遮断し、暖房効率の向上にもつながります。

また、窓ガラス断熱シートは、デザイン性を重視しつつ断熱効果を得たい方に適しています。
目隠しとしても機能し、水で貼るタイプなので位置調整が容易です。

結露吸着(吸水)テープは、サッシ枠に取り付けることで水滴を吸収し、床への水滴の落下を防ぎます。定期的な交換が必要ではありますが、結露防止シートと組み合わせることで、より完璧な結露対策が実現します。

これらのグッズを上手に使い分けることで、結露の悩みを軽減し、快適な室内環境を保つことができます。自分の生活スタイルや窓の状況に合わせて、最適な結露防止グッズを選んでみてください。

プロ仕様!様々な結露対策建材

ノン結露

結露対策塗料ノン結露は、壁面の結露を防ぎ、カビの発生を抑制する革新的な製品です。
この塗料は、熱の流出を抑える下塗層と、水分を吸収し発散させる上塗層の2層構造で構築されており、結露防止に特化しています。
従来の塗料が結露した水分を単に吸収するのに対し、ノン結露は吸収した水分を効率よく室内に戻すことで、壁の湿度をコントロールします。
室内の暖かい空気が壁に触れる際に熱を失い、その結果、水分が壁面に現れるのが結露です。
これが原因で木材の腐食やカビの発生など、建物に悪影響を及ぼします。
しかし、ノン結露を塗布することで、下塗層が暖かい空気の熱エネルギーの流出を減少させ、結露の発生を抑制します。
その後、上塗層が保水し、遠赤外線放射によって発熱し、水分を再び室内に放出します。
この塗料は、結露した水分が壁面に溢れ出ることを防ぎ、壁体内の結露も抑えるため、建物へのダメージを最小限に抑えます。
実施された水侵漬試験によると、上塗層は自重の50%以上の水分を吸収する能力があることが証明されています。
石油機器などを使用すると、室内の空気はさらに多くの水分を含むため、結露のリスクが高まります。ノン結露はそのような環境でも効果を発揮し、結露による水滴の発生を防ぎながら、壁面を適度な湿度に保ちます。
施工性にも優れているため、既存の壁にも簡単に塗装することができます。

エコカラット

湿度の変化に強く、美しいデザインが特徴の内装建材「エコカラット」が、快適な室内環境を実現します。
この素材は、湿気が多いときにはその余分な湿気を吸収し、乾燥時には放出するという優れた調湿機能を持っています。
その能力は、珪藻土の約6倍、通常の調湿壁紙の25倍以上にも及びます。
これにより、結露やカビ、ダニの繁殖を抑えることができ、洗濯物を室内で干す際にもその効果を発揮します。

エコカラットは脱臭機能も兼ね備えており、トイレやキッチンの生ゴミ、タバコ、ペットなど日常生活で発生する様々なニオイの原因物質を短時間で吸着し、清潔な空気を保ちます。複数のニオイが混じる複合臭に対しても効果を示します。
また、エコカラットは空気中の有害物質、例えばホルムアルデヒドやトルエンなどを吸着し、低減させる能力も持っています。
これにより、小さなお子様や高齢者、ペットがいる家庭でも、より安全な室内環境を提供できます。

デザイン性にも優れており、様々な種類の中から選ぶことができるため、リビングや寝室、玄関、トイレ、洗面所など、どんな空間にもマッチします。
水拭き掃除が可能というメンテナンスの容易さも、エコカラットの大きなメリットです。水はねや日常の汚れも気にせず、清潔を保つことができます。
エコカラットを選ぶことで、住まいは美しく保たれ、家族の健康と快適な生活が支えられます。
リフォームをお考えの際には、このエコな壁材を取り入れてみてはいかがでしょうか。

断熱ガラスフィルム

窓は家の中で熱の出入りが最も多い箇所です。特に夏は外の熱が室内に侵入しやすく、冬は室内の暖かい空気が窓を通じて逃げてしまいます。
快適な室内環境を保つためにも断熱対策が重要です。

断熱フィルムは、貼るだけで熱の出入りを防ぎ、冷暖房の効率を高めることができます。
また、断熱フィルムにはUVカット機能が付いているものもあり、紫外線による家具の色あせや床のダメージを軽減します。大掛かりなリフォームをせずとも、手軽に窓の断熱性を向上させることができるため、コストパフォーマンスに優れています。
さまざまな大きさの窓でもカットして使用できるため、トイレのような小さな窓にも最適です。
電気代の節約にも貢献し、経済的なメリットも大きいのが断熱フィルムの魅力です。

他にも安全性に配慮した飛散防止機能があります。
万が一のガラス破損時にケガを防ぐ役割を果たします。自然災害が起きた際にも、家族の安全を守る一助となります。

また、プライバシー保護のためミラー調フィルムも人気です。
これは外からの視線を遮りつつ、室内からは外の景色を楽しむことができます。ただし、夜間は室内が見えてしまうので、この点は留意する必要があります。

二重窓・二重サッシ

冬の寒さや梅雨時には、窓ガラスに結露が生じやすくなります。
結露は室内外の気温差が原因で発生し、二重窓はその防止策として効果を発揮します。
二重窓は、外気と直接接触する単板ガラスと異なり、ガラス間に空気層を持つ構造です。
この空気層が断熱の役割を果たし、外の冷気を遮断することで、室内の窓ガラスの表面温度を下げにくくします。
複層ガラスは、二重窓の効果を高める要素の一つです。
乾燥した空気や特殊ガスを含む中空層が、外気の影響をさらに受けにくくし、結露を抑えるのに貢献します。
ペアガラスとして知られるこの技術は、結露防止だけでなく、断熱性能の向上にも寄与します。

二重窓は、結露防止だけでなく、省エネや防音の効果も期待できるため、快適な室内環境を実現するためにも有効な選択肢です。
室内の快適性を保ちながら、結露の悩みを解消するために、二重窓の適切な選択とメンテナンスに努めましょう。

二重窓・二重サッシにしても結露が発生してしまう理由

二重窓・二重サッシが結露を防ぐ効果を持つとされているにもかかわらず、場合によっては結露が生じることがあります。
なぜなのでしょうか。
それは、室内の湿度が高い場合や、サッシの断熱性が不十分な場合です。特にアルミサッシは熱伝導率が高く、結露の原因となりやすいため、樹脂製のサッシに交換することで、結露を減らすことができます。
二重窓の機能を最大限に活かすためには、外窓と内窓の間の空気層が重要です。
この空気層が不適切な場合、内部で空気の循環が悪くなり、冷たい外気に触れた暖かい室内の空気が冷やされて下降する「コールドドラフト」という現象が発生します。
これにより、窓の下部で冷たい空気が滞留し、結露の原因となることがあります。
次に、二重窓のサッシやガラスの隙間です。
家が経年変化により歪んだり、設置が不完全であったりすると、隙間が生じ、断熱性が損なわれます。これが結露を引き起こす要因となることが少なくありません。
また、外の気温が極端に低い場合や、室内の湿度が高い状況では、結露が発生しやすくなります。特に寒冷地や湿気の多い浴室などでは、結露を完全に防ぐことは困難です。結露が発生した場合の対策としては、室内の湿度を適切に管理することが重要です。

これらの理由を踏まえ、結露を防ぐためには、二重窓の適切な設置と室内環境の管理が不可欠です。
空気層の適正化、サッシやガラスの隙間の確認、気温と湿度の適切な調整を心がけることが、結露を抑える鍵となるでしょう。

弊社で人気の結露対策リフォーム

結露対策にはあまりコストかけずに行う方法と、大規模リフォームをしながら結露対策も一緒にしてしまう方法に分けられます。
結露が発生しやすい場所を特定し対策すると、今までよりも生活環境が向上するでしょう。
また、最近では住宅の断熱対策に助成金をだして断熱対策を積極的に推進する自治体も増加しています。

人気の結露対策は窓ガラスに取り付けるペアガラスや2重サッシです。
在宅中でも取付する事ができ、廃材もほとんど出ないのでおススメです。

他にも、壁に断熱材は入っていても床下に断熱材が入っていないケースがあります。冬場に床下からの冷気を極端に感じるようになったら床下収納庫を開けて床下を確認してみてください。
床下断熱材の場合は既存のフローリングを壊す必要なく、床下から断熱材を設置することも可能です。

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