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雨漏りは誰の責任?住宅トラブルを防ぐために知っておくべきこと
2026.06.09
雨漏り・雨漏する理由
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「新築なのに雨漏りが…」
「リフォーム工事のあとに天井から水が…」
このようなトラブルは、住宅に関する相談の中でも特に多く、責任の所在をめぐって揉めやすいテーマです。
雨漏りの責任は、原因の特定と契約範囲の確認によって判断されます。
施工業者のミスなのか、経年劣化なのか、それとも設計上の問題か——。
この記事では、国の制度や公的機関の情報をもとに、雨漏りの責任がどこにあるのかを整理し、トラブルを未然に防ぐためのポイントを解説します。
なお本記事は一般的な解説です。個別の責任範囲や法的判断は、契約書の内容・現地調査結果・諸事情によって変わります。争いになりそうな場合は専門家(弁護士・住宅紛争センター等)にご相談ください。
☑ 新築住宅の雨漏りは、施工会社の責任
☑ リフォーム・塗装後の雨漏りは「工事範囲」がカギ
☑ 中古住宅の「現状渡し」は責任を問えないの?
☑ 賃貸住宅・テナントビルにおける雨漏りの責任
☑ 雨漏りの原因を特定する調査の重要性
☑ トラブルを防ぐための契約・保証のポイント

新築住宅の雨漏りは施工会社の責任
新築住宅で雨漏りが発生した場合、主な原因は、施工不良か大規模な自然災害です。自然災害がなかった場合、施工会社(建設業者)や売主(宅建業者)に責任があります。
雨漏りは住宅の欠陥(瑕疵)と見なされ、適切な補修や損害賠償を求めることが可能です。
品確法(住宅の品質確保促進法)
- 対象:構造耐力上主要な部分および雨水の侵入を防止する部分
例:屋根・外壁・バルコニーや防水層・開口部(サッシ・窓まわり) - 責任期間:引き渡し後10年間
- 内容:設計・施工上の瑕疵があれば、売主・請負人は補修義務を負います
- 保証の確実性:住宅瑕疵担保責任保険や供託制度で補償が確保されています
構造や防水の基本部分で雨漏りが発生した場合、品確法に基づき施工会社や売主に修繕義務があるということです。
引渡しから10年を超えると、瑕疵担保責任(品確法)の対象から外れることが一般的です。ただし、契約書や調査結果により、10年を超えても施工ミスや材料不良が原因であることが証明されれば、責任追及が可能です。
契約不適合責任(民法)
- 契約上定められた目的物の品質に対して、実際に引き渡された目的物の品質が劣っている場合、契約不適合責任が発生します。
- 契約不適合責任により、買主は欠陥に対して以下を請求できます
修補(欠陥の補修)、代金減額、契約解除、損害賠償 - 引渡し後、最低2年間の責任が義務付けられています。
購入者が契約前に雨漏りの存在を知らなかった場合、売主が雨漏りを隠したり誤解を招く説明をしていた場合、雨漏りは契約不適合として扱われるのが一般的です。
自然災害による雨漏りの場合
自然災害が原因の雨漏りの場合、基本的には施工業者や売主の責任は問えません。
台風・豪雨・地震などの自然災害は、施工や設計上の欠陥ではなく不可抗力とされます。そのため、自然災害による被害は、通常は保険(火災保険や住宅総合保険)での対応となります。
なお、雨漏りが自然災害によるものかどうかを確認するためには、原因調査が重要です。
リフォーム・塗装後の雨漏りは「工事範囲」が鍵
リフォームや外壁塗装後の雨漏りは、施工業者が担当した範囲に不具合があったかどうかが判断基準になります。
リフォーム/塗装工事の後に雨漏りが生じた場合、責任の有無を判断する鍵は『工事範囲と雨漏り原因の一致』です。具体的には、塗装施工前後に行われるひび割れ補修、シーリング打替え、縁切り・タスペーサー処理などが仕様・契約書に含まれていたかどうかが争点になります。
業者に責任があるケース
・外壁塗装時に劣化したシーリングを打ち替えなかった
・クラック補修が不十分だった
・屋根塗装で縁切り(タスペーサー)を省略し、水の逃げ道を塞いだ
これらは施工不良とされることがあります。
業者に責任がないケース
・屋根下地や防水層など、施工範囲外の劣化、老朽化
・排水口や雨樋の詰まりなど、管理不備によるもの
・台風や地震などの自然災害による破損など
リフォームの際に重要なのは保証の有無や内容です。工事前に保証内容について十分確認しておくことはもちろん、不明な点は業者に質問しクリアにしておきましょう。

中古住宅の「現状渡し」は責任を問えない?
中古住宅の売買では、雨漏りの責任が曖昧になりやすく、購入前に売主の立場や契約内容を確認することがトラブル防止のポイントです。
売主が宅建業者の場合
宅建業者が売主の場合、宅地建物取引業法により、引き渡し後最低2年間は契約不適合責任を負います。
契約不適合責任とは、2020年の民法改正で従来の「瑕疵担保責任」を整理・名称変更したものです。
売買契約の目的物が契約の内容に適合しない場合、買主は売主に対して以下を請求可能です。
修補(欠陥の補修)、代金減額、契約解除、損害賠償
この責任は、売主の故意・過失にかかわらず、欠陥がある場合に発生します。
ただし契約不適合責任免責の約束がある場合は、原則対象外となります。
※2020年3月31日までに結ばれた契約(売買契約や工事請負契約など)は、改正前の旧民法の瑕疵担保責任が適用されます。また、契約書に瑕疵担保責任に関する条項(特約)があれば、その内容が優先されます。
売主が個人の場合
個人売主の場合、宅建業者ほどの法定保証はなく、原則として「現状有姿(現状渡し)」が基本です。
現状渡しとは、建物を現在の状態のまま引き渡す契約形態で、売主に修繕義務はありません。そのため、引き渡し後に買主が修繕費用を負担するのが一般的です。
ただし、契約書に書かれていない欠陥(雨漏りなど)が購入後に発覚した場合は、民法の契約不適合責任として責任を問うことができます。

賃貸住宅・テナントビルにおける雨漏りの責任
法的義務・大家の修繕義務
賃貸物件においては、民法第606条1項により、賃貸人(大家)は賃貸物の使用・収益に必要な修繕義務を負っています。そのため、雨漏りが建物の瑕疵・経年劣化・構造的なものによるものであれば、まず大家側が対応するのが原則です。
ただし、但し書きにより『賃借人の責めに帰すべき事由』によって修繕が必要になった場合には、この義務を免れることがあります。
借主に責任が生じるケース
ただし、借主(入居者)に責任があるとされるケースもあります
・借主の過失・故意(例:バルコニーの排水口を詰まらせて放置した →雨水が逆流した)
・借主が契約書で修繕義務を負う特約を締結していた(ただし、過度に不利な特約は無効の可能性あり)
これらでは、借主が修理費用を負担しなければならない場合があります。
なお、雨漏りによる家財の損害は、貸主は責任を負わないことが多いです。入居時に火災保険や家財保険に加入しているか確認すると良いでしょう。
雨漏りの原因を特定する調査の重要性

雨漏りの原因を特定するためには専門的な調査が必須です。
雨漏りが直らない、悪化したなどのトラブルの多くは、原因箇所の誤認から始まります。
雨漏りの原因は表面の塗膜やコーキングだけでなく、内部の防水層・下地・板金部分など、複数要因が絡み合うことが多く、責任を明確にするには以下のような客観的調査が重要です。
原因箇所の特定には専門の雨漏り調査(散水試験・赤外線サーモグラフィ等)があります。
施工ミス・仕様違反が明らかになれば施工業者の責任となることがありますが、経年劣化、契約範囲外の浸水、自然災害等が原因なら、施工業者に責任が及ばない可能性があります。
| 調査方法 | 内容 |
|---|---|
| 散水調査 | 実際に水をかけて浸入経路を特定 |
| 赤外線調査 | 壁内の温度差から湿気・水分を可視化 |
| 目視(ドローン点検) | 目視や手で触れた状態を確認。屋根や高所の劣化はドローンで安全に確認 |

トラブルを防ぐための契約・保証のポイント
住宅に関わる契約や保証は、設計・建設・リフォーム・修繕・雨漏り補修・中古住宅の売買契約・賃貸契約など、幅広く存在します。
どの契約でも共通して重要なのは、工事や修繕の範囲、保証内容、雨漏りが起きた場合の責任を明確に書面で確認することです。こうした書面での取り決めがあることで、「施工範囲外なのか」「施工不良なのか」を明確に区別でき、万が一雨漏りが起きた際もスムーズに対応できます。
1. 新築住宅・リフォーム・修繕工事
・契約書・施工仕様書・保証書に、工事範囲や保証期間を明記
・雨漏りや防水不良が発生した場合の対応を明確化
・例:外壁塗装、屋根防水工事、シーリング打替えなど
2. 雨漏り補修工事
・雨漏りだけを補修する場合でも、工事範囲と保証内容を契約書で確認
・「再発した場合の対応」「保証期間」「責任範囲」を書面で取り決める
3. 中古住宅の売買契約
・売主が宅建業者の場合は、引き渡し後最低2年間の契約不適合責任が法律で定められている
・売主が個人の場合は、契約書に期限に関する記述が無い場合、瑕疵発覚後原則一年間請求可
・免責特約がある場合は、買主負担
4. 賃貸契約
・民法第606条により、賃貸人(大家)は賃貸物の使用・収益に必要な修繕義務を負う
・契約時に修繕負担の範囲を確認しておくとトラブル防止になる
住宅に関わるすべての契約・書類において、工事範囲・保証範囲・責任範囲を明確にすることがトラブル防止の基本です。特に雨漏りは原因が複数にまたがるため、契約書や保証書で責任の所在を明確にすることが不可欠。契約前に写真や診断書で現状を確認し、書面に残すことで後々の争いを防げるでしょう。
まとめ

雨漏りの責任は、「どこが原因か」「どの範囲を請け負ったか」で変わります。
塗装業者が負うのは、自社の施工範囲内での不備による雨漏りに限られます。それ以外は構造・防水・経年劣化など、別の要因であることも少なくありません。
なお、最終的な法的責任の判断は契約書・調査結果・個別事情によります。
不安を感じたら、まずは中立的な専門機関による調査を行い、原因を正確に把握することがトラブル防止の第一歩です。また、争いになりそうな場合は専門家(弁護士・住宅紛争センター等)にご相談ください。
早めの点検と正確な情報共有が、家を守る最良の対策となります。
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