ベランダやバルコニーの雨漏りは気がつかないうちに起きていることがあります。特に、雨や風の強い日には、雨水が細かい隙間から浸入してしまうことも。
そのため、大雨の後などには点検を行い、雨漏りが起きていないか確認することが大切です。
また、ベランダのドレン（排水口）にも注意が必要です。詰まっていると、雨水が流れずに溜まってしまい、稀に建物の内部にまでダメージを与えていることがあります。
このようにバルコニーやベランダで起こる雨漏りには様々な原因があります。この記事を読み、早めに対処することで、雨漏りによる大きな被害を防ぐことができるでしょう。

そもそも、ベランダとバルコニーの違いとは

ベランダとはポルトガル語で「建物の外に張り出した部分」という意味で、屋根（軒の出）が屋外スペースまで覆っているのがベランダです。
一方のバルコニーはイタリア語で「建物の外に張り出した屋根のない手すりつきの場所」と言う意味があり、屋根（軒の出）の覆っていない屋外スぺ―スのことを指します。ただ、住まいによって形状は様々なので一概にどちらが当てはまるのかは分かりません。

業者に問合せる時には、ベランダかバルコニーか分からなくても、住まいのどの部分を説明しているのかが分かるため、それほど気にする必要はありません。
ただ、庭の上に屋外スペースがあるのか、部屋の上に屋外スペースがあるのかで、雨漏りの原因は変わってくることがあるので、そのあたりは説明する必要があります。

ベランダ雨漏りの原因について

【防水層の劣化】

ベランダやバルコニーには防水工事が行われています。FRP 防水・シート防水・ウレタン防水と種類は様々ですが、この防水のことを一般的に防水層と呼びます。この防水層が劣化することや傷がつくことで、雨水を処理することができなくなります。
防水層が劣化する原因は、紫外線や風雨、人の利用による摩擦などであることがほとんです。
劣化が進行しないうちにメンテナンスを行うことで良い状態を維持することができます。

【排水口の詰まり】

ベランダやバルコニーの排水が詰まったりすると、雨水が処理できず、床面全体に水が溜まりやすくなります。詰まりを解消する必要があります。
また排水口の劣化も、雨漏りの原因になります。劣化が酷い場合には改修用ドレンで直すなどの対応が必要です。

【シーリング材の劣化】

ベランダやバルコニーの外壁や建材の取り合いにはシーリングが施されていることがあります。
このシーリングが劣化してくると、雨水が隙間から入り込んでしまうことがあります。
シーリング打設から10年以上経過していて、ひび割れや、外壁からの剥離などが見られるのであれば、打ち替えが必要です。

これらの原因以外にも、自然災害によって雨漏りが起こることがあります。台風による雨や、強風で屋根が飛ばされたり、飛来物が建物を傷つけたりします。異変があったら業者にみてもらうことをおすすめします。

ベランダの雨漏りはどうやって修理するのか？

【雨漏りの原因を特定する】

雨漏りの原因を特定するため、調査を行います。
ベランダの防水層に亀裂がないか、シーリングが劣化していないか、ドレンが詰まっていないかなどを調べます。
正確に特定するのであれば、散水調査や赤外線調査を行います。

【原因に応じた修理を行う】

原因が特定できたら、その原因に応じた修理を行います。
たとえば、防水層の傷が原因だったら、新しく防水層を形成します。ドレンの詰まりが原因だったら、詰まりを取り除きます。ドレンの配管だった場合には改修用ドレンでリフォームします。
シーリング材が劣化している場合は、打ち替えを行います。
また、内部にまでダメージがあった場合には、壁を剥がして直す必要があります。

【雨漏りしていないか確かめる】

修理後には、雨漏りしないか確かめます。散水調査などを行うことで水が入っていないか各委任します。もし、雨漏りの原因が複雑で、大規模なリフォームが必要になる場合には、専門家が行うことが望ましいです。

雨漏りが起きてしまった場合の応急処置方法

雨漏りを放置すると、壁や天井などが濡れて腐食や劣化が進んでいきます。
湿気があることで、藻やカビが発生すると同時に繁殖もしやすくなります。健康被害まで引き起こすことがあります。
重度になると、建物の構造にまで損傷が生じる恐れがあります。他にも、建物内部に浸入した水が、配線や機器類に損傷を与えて、火災になることがあります。

以上のように、雨漏りを放置すると建物の損傷や健康被害、安全上の問題など、様々な危険があります。早めの対処が必要です。

ブルーシートで覆う

雨漏りの応急処置として、ブルーシートを被せる方法があります。雨漏りの原因と思われる場所にブルーシートを被せます。その後、風で飛んで行かないように重りで固定します。
また、雨水がシートの下に入り込まないようにします。
上手くできれば、一時的に雨漏りを止めることができます。ただし、応急処置であるため早めの対応が必要です。

コーキングを打つ

コーキングを使って雨漏りを部分を塞ぎます。
その際、しっかりと密着させる必要があるので、掃除をして油分や汚れを取り除きます。
次に、コーキングを均等に塗布していきます。隙間ができないようにします。
使うべきコーキングは適切な種類を選んでおく必要があります。

ベランダ雨漏りの修理費用について

雨漏りの修理費用は原因や修理箇所の大きさ、建物の種類によって違います。
部分的な修理であれば数万円程度から直すことができます。
大規模な修理になると数十万円〜数百万円掛かる事もあります。
また、根本から解決するのか、雨の浸入部分だけを塞ぐのかによっても料金が変わります。
ただ、内部に水が滞留しているにも係わらず、塞ぐだけの修理で対応すると建物に大きな損害を与える可能性があります。根本的に原因を解消することが望ましいです。

ベランダの雨漏りは自分で直せるのか

ベランダの雨漏りは、原因や修理箇所の大きさによって自分で修理できる場合とできない場合があります。
ダメージが見た目で分かり、塞ぐだけで止まるのであれば自分で行うことも可能ですが、屋根材の交換や防水の改修が必要な場合はプロでなければ難しいでしょう。
自分で修理する場合でも、専門的な知識や技術は必要になります。
足場が必要だったり、工事が複雑になる場合には、専門業者に依頼した方が安全です。
転落するリスクや建物をかえって痛めてしまう場合があるからです。

ベランダの雨漏りは火災保険が適応されるのか？

一般的に、雨漏りによる建物の損害は、火災保険の範囲外になります。
ただし、雨漏りの原因が台風や豪雨、積雪などの自然災害であった場合には、火災保険の風水害特約が適用される場合があります。
また、防水工事に問題があって雨漏りしている場合には、業者が補償してくれるかもしれません。工事の保証期間内であれば、工事業者によって直す必要があるからです。
新築から10年未満であれば瑕疵保険も対象になります。
ただし被害の内容によっては、保証があてはまらない可能性もあります。
事前に保険会社や工事業者に相談することをおすすめします。

最後に

いかがだったでしょうか？
バルコニーやベランダで起こる雨漏りには様々な原因があります。
雨漏りを止めるためには、原因を突き止める事が【根本的な解決の一丁目一番地】です。
どのような解決が望ましいのか、建物を長く持たせるための観点も必要なのです。

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