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玄関

日本の家屋において、玄関は訪れる人を迎える顔として、非常に重要な役割があります。
特に木部は、その美しさで家全体の印象を左右することもあるため、お手入れが欠かせません。

劣化した木部は放置しても大丈夫なのでしょうか?また、劣化した木部はどのように再生していけばいいのでしょうか?

新築時のように、きれいな木部を、風格ある仕上がりを取り戻したい!そんな方のための記事です。

この記事のPOINT

☑ 保護性能を失った木部を放置する危険性とは?
☑ 木部塗装の塗料選びとその重要性
☑ 室内/屋外向きの塗料とは
☑ 事例:染みと汚れから木部を再生させる方法
☑仕上げ塗装で美しさを長持ちさせるコツ

保護性能の失った木部を放置すると危険?

外壁劣化診断士石井

木部はお手入れしていても経年変化により【変色】や【染み】や【黒ずみ】が見られるようになります。
それは、紫外線をはじめ、日常の使用による手あかや、雨水の浸入、カビや藻の繁殖が影響しているからです。

木材が雨にさらされ続けると、水分が木の内部に浸透し、腐朽菌の繁殖を助けてしまいます。
腐朽菌は木材の成分を分解し、強度を低下させます。特に柱や土台といった重要な構造部材が損なわれると、その影響は甚大です。

シロアリを防ぐことも木部塗装の重要な役割?

木部の塗装は、木材の耐久性を維持するだけでなく、害虫から守る役割があります。
防虫、防腐、防カビの効果を持つ塗料を使用することで、木材を長期間にわたり保護することが可能です。さらに、木材腐朽菌や害虫が好む湿度の高い環境を避けるために、乾燥させたり、通気性を良くする工夫も重要です。

シロアリ

シロアリ発生を防ぐ、防蟻処理を施すことも大切です。
防腐処理には、塗布や加圧注入、浸漬、吹付などの方法があり、状況に応じて最適な処理方法を選ぶ必要があります。これにより木材の耐久性をさらに高めることができます。
床下などの暗く湿った環境はシロアリなどの害虫にとって好ましいため、防蟻処理を施すことで、これらの害虫の侵入を防ぐことができます。

適切な塗装材の選び方とその重要性

腐食を防ぎ見た目の美しさを維持するには、適切なメンテナンスが必要です。
木材の変色や染みがあっても、それらを取り除くことで、塗装が木部にしっかりと浸透し、耐久性を高めることができます。
適切な塗料の選択も重要で、木部の特性や耐候性、美観を考慮するのであれば、水性塗料やオイルステインがおすすめです。
これらの塗料は、木部を守りながら自然な美しさを引き立てます。

造膜塗料と浸透塗料

造膜塗料

造膜型塗料とは、木材や建材の表面に塗ることで保護膜を形成し、耐久性や耐水性を高める塗料の一種です。この塗料は、外壁や屋根などの建築物に広く採用されており、特に厳しい環境にさらされる部分の保護に効果を発揮します。

塗料によって木材の質感が失われることがデメリットに感じられることもありますが、その反面、色の選択肢が豊富であるため、デザイン性に富んだ仕上がりを望む場合には適しています。さらに、塗膜の艶を調節することで、光沢感やマットな質感を演出することも可能です。

造膜型塗料は、破風板や鼻隠し、軒下天井など、見た目よりも機能性が求められる箇所に最適です。これらの部分は、直接雨風に晒されるため、耐候性が要求されるのです。

メンテナンス時には、木材の伸縮に対応するための注意が必要です。旧塗膜を適切に取り除き、木材の動きに追従できるような塗料選びや下地処理が重要となります。

長野市中越 塗装の様子

市場には、合成樹脂塗料や天然樹脂塗料など、様々な種類の造膜型塗料が存在します。
油性調合ペイントやフタル酸樹脂塗料、アクリル樹脂塗料、ウレタン樹脂塗料といった合成樹脂塗料は、耐久性に優れ、シックハウス対策や環境問題にも配慮されている製品が多く見受けられます。
一方、漆やカシュー塗料、セラミック樹脂塗料などの天然樹脂塗料は、自然環境に優しい選択肢として利用されています。

おすすめの造膜型塗料には、大阪ガスケミカルのコンゾラン、日本ペイントのファインウレタン弾性、ロックペイントのロックコートデラックス、大同塗料の速乾ダイフレックス、和信化学工業のアクレックス、吉田製油所のスーパーウッドステインなどがあり、各社から様々なニーズに応える製品が提供されています。

外壁劣化診断士石井

造膜型塗料の選択と適用は、対象物の使用環境やデザイン要件、さらにはメンテナンスの容易さを総合的に考慮して行われるべきです。
適切な製品選びと正しい施工により、建築物の美観と機能性を長期間保つことができるでしょう。

浸透塗料

浸透型塗料の魅力は、木材の自然な美しさを前面に出すことができる点にあります。木の表面を覆うことなく、内部に浸透するこの塗料は、木目の細部まで鮮明に残し、木の本来の手触りや風合いを大切にします。艶の調整はできませんが、その分、木の持つ独特のデザインを活かすことができます。

撥水性や防腐、防カビといった機能を内部から発揮することで、木材を守ります。耐久性や耐水性は造膜型塗料に比べて劣るものの、適切なメンテナンスを行うことで長期間にわたって木材を保護し続けることが可能です。さらに、塗膜が剥がれる心配がないため、見た目の美しさを維持しながら、木材を守ることができます。

和風住宅の化粧垂木や縁側、庇を支える柱など、木目を活かしたい箇所には浸透型塗料が最適です。木材の個性を際立たせることで、伝統的な外観を保ちながら、木材を保護し、長持ちさせることができます。

メンテナンスに関しては、造膜型塗料よりも早めに必要になることが多いですが、重ね塗りが可能なため、旧塗膜を取り除く手間は不要です。これにより、メンテナンスの作業性が向上し、コストも抑えることができるでしょう。

市場には大阪ガスケミカルのキシラデコールや和信化学工業のガードラックラテックスなど、様々な浸透型塗料があります。これらは木材の保護と美観を両立させるために開発されており、それぞれに特徴があります。自然塗料や天然油脂を用いた塗料もあり、シックハウス対策や環境問題への配慮をしたい場合に適しています。

選択肢は多岐にわたりますが、どの浸透型塗料を選ぶにせよ、木材の持つ自然な美しさを最大限に引き出し、長期間にわたって保護するための適切な選択が求められます。

【木部再生】染抜き灰汁洗いで汚れた木部を白木に再生

室内向きの木部の塗料とは?

室内の塗料を選ぶ際、健康と環境に優しい選択肢が最優先です。
水性塗料はその基準を満たし、室内での使用に適しています。
水性塗料はシンナーを含まないため、揮発性有機化合物(VOC)が少なく、塗装後のニオイも抑えられます。さらに、乾燥時間が短いため、塗装後すぐに室内を使用することができます。

塗料の安全性については、ホルムアルデヒド放散等級を示すF☆☆☆☆の表示があるものを選ぶことが重要です。この等級は、国土交通省がシックハウス症候群防止のために設けた基準であり、最も放散量の少ない安全な塗料を示します。また、非トルエン・キシレン塗料は、塗料業界が室内環境の改善に向けて自主的に取り組んでいるガイドラインに準じた製品です。

以上の点を総合的に考慮し、室内の木部塗装には、健康にも環境にも配慮した水性塗料の選択をお勧めします。ニオイが少なく、乾燥が早いため、快適な生活空間を維持しながら、安全性にも妥協しない塗装が可能です。

室外向きの木部の塗料は?

屋外で使う木部の塗料を選ぶ際には、外部環境に耐える耐候性が非常に重要です。太陽の紫外線や雨風にさらされる木材を守るため、劣化を防ぐ強力な塗料を選びましょう。また、木材は生物由来の素材であり、放置すると腐朽や害虫の被害に遭いやすいため、防腐・防虫機能を備えた塗料が望ましいです。

塗料を選ぶ際には、用途に応じた適切な表記があるものを選ぶことが肝心です。屋内用塗料はホルムアルデヒドの放散量が少なく人体への影響を考慮していますが、屋外用塗料は耐候性に優れ、木材を外的要因から守る機能が求められます。また、素材別に最適化された塗料を選ぶことで、塗料の密着性や機能が最大限に発揮され、木部を長期間にわたって保護することが可能です。

木部専用の塗料を選ぶことで、木材特有の吸水性に対応し、鉄部用など他の素材用塗料とは異なる保護機能を提供します。塗料が適切に密着し、塗膜が正しく硬化することで、剥がれや不具合を防ぎ、木部を美しく維持できます。選定時には、木部用と明記された屋外用塗料を選んで、木材の耐久性を高めることが大切です。

事例:染みと汚れから木部を再生

あく洗い

木造建築において、無垢の木はその美しさが魅力ですが、時間と共に紫外線や汚れにより木部がくすんでしまうことがあります。こうした木部のくすみを取り除き、本来の美しさを取り戻すために行われるのが「あく洗い」です。安全なあく洗いとは、木部に優しい方法で汚れを除去することを指します。

あく洗いには様々な手法がありますが、中でも過酸化水素を利用した酸素系漂白剤の使用が一般的です。例えば、マイクロクリーナーステインリムーバーという製品は、35%の過酸化水素を基にした漂白剤に、10%のマイクロクリーナーストロングを加えることで木部の汚れを効果的に落とします。この方法の利点は、金属部分へのダメージがなく、残った液体もクリーナーとして再利用できることです。

ただし、アク洗い後にフッ化水素をベースとした漂白剤を用いる施工法もありますが、これは取り扱いに注意が必要です。過去には、この漂白剤が誤って黒御影石に垂れ、酸焼けを引き起こす事故が発生した例もあります。そのため、安全にあく洗いを行う際には、使用する薬品の特性を理解し、適切な養生と注意深い施工が求められます。

効果的かつ安全なあく洗いを実施するには、適切な薬品の選定、丁寧な作業、そして木部への配慮が不可欠です。これにより、木造建築の木部は、紫外線や日常の汚れによるくすみを解消し、元の美しい状態を取り戻すことができます。

しみ抜き

あく洗いが完了した後、木部はしっかりと乾燥させる必要があります。それに続くのが、シミ抜きの工程です。ここでは、フッ化水素を主成分とする専用の薬品を使用します。この薬品は医薬用外毒物に分類されるため、取り扱いには細心の注意を払うことが求められます。

シミ抜きでは、あく洗いの際とは異なる柔らかい刷毛を用いて、薬品を木部に塗布します。重要なのは、この段階では単に塗るだけではなく、薬品を木部にしっかりと染み込ませることです。これにより、シミやシミの素に対して薬品が化学反応を起こし、これらの不要な成分を消し去ることができます。

安全なあく洗いとは、適切な薬品の選択と正しい塗布方法を実践することです。専門的な知識と注意をもって行えば、木部を傷めることなく、美しい状態を保つことが可能になります。また、作業を行う際は、適切な保護具を着用し、換気の良い環境で作業することが重要です。

漂白

木部の漂白には、特定の手順と専門の薬品が必要です。あく洗いやしみ抜きで大半の汚れを落とした後、まだ木部に残る紫外線による日焼けやカビの問題に対処する必要があります。
ここで活躍するのが、木部の漂白とカビ取りに特化した薬品「ノーベルAB」です。この薬品は白木の状態に戻すために開発されており、刷毛を使って木部に塗布し、浸透させることで、しみ抜きやあく洗いだけでは取り除けない日焼けやカビを除去します。また、ノーベルABは以前使った薬品を中和する作用も持っており、日焼けがない状況でも使用することで、木部を新築時のような綺麗な状態に復元することが可能です。

作業を行う際は、薬品の反応によってガスが発生する可能性があるため、安全対策としてマスクの着用が不可欠です。
木部の漂白は専門知識と正しい薬品の使用が重要であり、適切に行うことで木材の美しさを長期間保つことができます。

修正洗い及び薬品拭き取り

木部の漂白終了後は濡れた雑巾で丁寧に水拭きを行い、残った薬品を徹底的に除去することが重要です。木部を拭いた後は、その状態を確認しながら、必要に応じて拭き取りを繰り返します。

加えて、薬品の使用により木の表面が毛羽立ち、ざらつきが生じることがあります。
これを解消するためには、紙やすりなどの研磨材を用いて、木部の表面を滑らかに仕上げる作業が不可欠です。
研磨することで、木部はさらに滑らかで手触りの良い仕上がりになります。

以上の手順を踏むことで、木部は汚れやカビから解放され、本来の美しさを取り戻すことができます。
漂白作業は、見た目だけでなく、木部の長期的な保護にも寄与するため、正しい方法で丁寧に行うことが大切です。

木材保護塗料仕上

木材の美しさを長持ちさせるためには、適切な保護塗料の塗布が不可欠です。あく洗いによって木部が白木状態に戻った後、そのままでは木の表面が環境の影響を受けやすくなります。木材専用の保護塗料を使用し、少なくとも2回の塗布を行うことで、木部を水や汚れ、紫外線から守り、新築のような美しさを保持します。

塗料が乾くまで待てば、木部はしっかりと保護され、耐久性が向上します。鉄が塗装されていないと錆びるのと同様に、木も塗装されていなければすぐに劣化の兆しを見せます。保護塗料を施すことで、紫外線や雨水によるダメージを防ぎ、長期間に渡り木材の美観を維持することができるのです。

仕上げ塗装で美しさを長持ちさせるコツ

住まいの木部のメンテナンスは、見た目の美しさを保つだけでなく、住まいの構造を守るためにも重要です。木材を守り、快適な住環境を維持するためにも、定期的な塗装メンテナンスと適切な保護処理を心がけましょう。
専門の業者に相談し、適切なタイミングでのメンテナンスを行うことが、住まいを末永く保つ秘訣です。

木部塗装を成功させるポイント

玄関木部の再生塗装は、日本家屋の美しさを長持ちさせる重要な手段です。染みや汚れが目立つ前に、定期的なメンテナンスを行うことが肝心です。
木部塗装を成功に導くためには、作業を開始する前に最終確認ポイントを把握しておく必要があります。

塗装作業に入る前に、木部の状態を詳細にチェックしましょう。表面のひび割れや腐食を見逃さないようにし、必要であれば補修を行います。また、既存の塗膜の剥離や色あせも確認し、塗り替えのタイミングを見極めます。

塗装材の選択も重要です。日本家屋に適した耐候性と透湿性の高い塗料を選び、木部を外部の環境から守ることができます。塗装工程では、下地処理を丁寧に行うことで塗料の密着を向上させ、仕上がりの品質を高めることができます。

玄関木部の維持管理には、塗装後のケアも含まれます。定期的な清掃や、小さなダメージに対する迅速な対応が、再生塗装の効果を長持ちさせる鍵です。塗装面を直射日光や雨水から守るための対策も考慮し、玄関の美観を保ち続けましょう。

最終的には、塗装作業が完了したら、仕上がりを細かくチェックし、問題がないことを確認します。このチェックリストを参考に、玄関木部の再生塗装を計画的に実施し、日本家屋の玄関を長期にわたり美しく保つことができるでしょう。

もしご自宅の木部の状態に不安がある場合は、迷わず専門業者に相談してください。プロの目で診断を受けることで、適切なメンテナンス計画を立てることができます。
建物の美しさと安全性を守るためにも、定期的な外壁のチェックと適切なタイミングでの塗り替えを心がけましょう。長野県東北信地域にお住まいの方で木部塗装が必要なら、ぜひ私たちプロタイムズ長野若里店に、お気軽にご相談ください。

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