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難付着サイディングの落とし穴?特殊コーティング外壁の特徴とシーリングメンテナンスの重要性
2025.11.18
外壁塗装
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「この外壁はメンテナンス不要です」「20年間塗り替えの必要がありません」――住宅展示場やカタログで、こうした説明を耳にしたことはないでしょうか。
実際、近年の戸建て住宅では耐候性に優れた外壁材が多く採用されており、従来のサイディングと比べると格段に長寿命になっています。
しかし、「外壁が長持ちする=家全体がメンテナンス不要」というわけではありません。特に見落とされがちなのが シーリング(コーキング) の劣化です。外壁本体はきれいでも、シーリングが劣化して雨漏りを引き起こす事例は少なくありません。
さらに、これらの外壁材は「難付着サイディング」と呼ばれる種類にあたり、再塗装の際には特別な下地処理や塗料選びが欠かせません。この記事では、難付着サイディングの特徴や注意点、そしてシーリングメンテナンスの重要性について詳しく解説します。
☑ 難付着サイディングとは特殊コーティングを施した高耐候外壁材
☑ 難付着サイディングは汚れが付きにくく、塗料も密着しにくい
☑ 難付着サイディングは2001年頃から普及しており、そろそろ塗り替えや点検が必要な時期
☑ 難付着サイディングはシーリングの劣化に注意する
難付着サイディングとは?

従来の窯業系サイディングは、出荷時にアクリルやシリコン系の塗膜が施されており、10年程度で色あせやチョーキングが目立つのが一般的でした。これに対して、近年普及しているのが、特殊コーティングを施した高耐候外壁材 です。
代表的なコーティングは次の通りです。
フッ素コーティング
フッ素樹脂を使用した塗膜で、紫外線や酸性雨、雨風などの外的要因による塗膜の劣化や分解を抑制。色あせや光沢低下が起こりにくい
無機コーティング
ガラスやセラミックなど無機成分を配合したコーティング。紫外線による劣化に強く、色褪せや塗膜の劣化が少ない。汚れが付きにくい
光触媒コーティング
外壁表面に酸化チタンなどの光触媒を含む塗膜を設け、太陽光の力で有機汚れを分解。雨で汚れを洗い流すセルフクリーニング効果がある
親水性コーティング
表面を親水化させることで、雨水が膜状に広がり、汚れを浮かせて流しやすくする。雨で自動的に外壁を洗浄するため長期間の美観維持に有効
これらのコーティングは、外壁材が工場で製造される段階で焼き付け加工されるため、現場施工の塗装とは異なり耐久性が安定しています。
具体例としては、パナホーム(現パナソニックホームズ)の「ハイセラコート」、ニチハの「プラチナコート30」、ケイミューの「親水コート」などが挙げられます。
難付着サイディングのメリットと注意点

メリットは、外壁が長期間きれいな状態を保ちやすいこと。色あせやチョーキングが発生しにくく、汚れが付きにくいので、美観維持に大きな効果を発揮します。
通常なら約10年に一度のペースで塗り替えが必要なところ、20年程度は塗り替えが不要となるため、メンテナンスにかかるコストを抑えられます。
しかし、ここで注意しなければならないのが、これらの特殊コーティングされた窯業系サイディングは「難付着サイディング」と呼ばれるという点です。
「汚れがつきにくい」ということは、裏を返せば「塗料も密着しにくい」ということ。
再塗装を行う際に、塗料が密着しにくく、1年経もたずに塗装が剥がれてしまうリスクがあります。
専用下塗り材の進化

現在では、各塗料メーカーが難付着サイディング対応の下塗り材を開発しており、正しく使用すれば通常のサイディングと同じように塗り替えが可能です。
つまり、難付着サイディング=塗り替えができないわけではなく、適切な下塗り材を選べば問題ないということです。
- 日本ペイント「ファインパーフェクトシーラー」
- 関西ペイント「アレスダイナミックプライマー」
- エスケー化研「エスケーハイブリットシーラーEPO」
- アステックペイント「プレミアムSSシーラープライマー」
など、難付着性のサイディングに対応した専用下塗り材が用意されています。
難付着サイディングでは、専用の下塗り材を選ぶ必要があるというだけでなく、その特性に合わせた施工方法を守ることが欠かせません。難付着サイディングであることを理解しているだけでなく、正しく施工できる業者を選ぶことが従来の外壁以上に重要です。
例えば光触媒が施されている外壁の場合、下塗りは透明ではなく白色の専用下塗り材を使わなければならない等。
「メンテナンス不要」という誤解

ここでよくある誤解について触れておきます。
住宅メーカーや建材メーカーの説明で「20年間塗り替え不要」と表現されることがありますが、これは「外壁の表面が20年きれいな状態を保てる可能性がある」という意味であり、家全体がメンテナンスフリーになるわけではありません。
これら特殊コーティングを施した外壁材の多くは 2001年頃から普及 しており、そろそろ塗り替えや点検が必要な時期に差し掛かっています。
難付着サイディングは、表面に耐久性の高いコーティングが施されているため、汚れや色あせには強い特徴があります。ただし、内側の基材は一般的な窯業系サイディングとほぼ同じで、水分や紫外線に対する弱さを抱えています。そのため、20年以上経過してコーティングが劣化すると、通常のサイディングと同じように吸水やひび割れといったリスクが生じます。
特に見落とされやすいのが、シーリング(目地材)の存在です。サイディング外壁には、必ずシーリングが使われており、その劣化は避けられません。多くの場合、シーリングの寿命は10年程度だからです。
シーリング材が劣化すると隙間から内部に雨水が浸入し、雨漏りを引き起こす原因となります。
どれだけ表面を高性能な仕上げ材でコーティングしても、それだけでは建物の耐久性を守ることはできないのです。
シーリングのメンテナンスが重要

シーリングの寿命
一般的なシーリング材の寿命はおよそ7~10年程度で、外壁材のコーティングが20年持つ場合でも、シーリングの劣化はそれより早く進行します。そのため、特殊コーティングを施されたサイディングであっても、通常のサイディングと同様に10年に一度はシーリングのメンテナンスが必要なのです。
劣化のサイン
シーリングは紫外線や風雨で徐々に劣化します。外壁はまだきれいに見えても、目地の劣化によって雨水が内部に侵入すると、雨漏りや下地材の腐食、断熱材のカビといった二次被害につながることがあります。
劣化のサインとしては、表面のひび割れや肉やせ、剥離、黒ずみ、また雨のあとに目地まわりが濡れやすい状態などがあります。
シーリングの劣化を発見したら、雨漏りや建物のさらなる劣化を防ぐため、できるだけ早く専門業者に点検を依頼しましょう。
メンテナンスの方法

シーリングの補修には「打ち替え」と「増し打ち」の2種類があります。
打ち替えは、古いシーリングをすべて取り除き、新しく充填し直す方法です。これが最も確実なメンテナンスといえます。
一方の増し打ちは、既存のシーリングの上から重ねて充填する方法で、構造上撤去が難しい窓枠まわりなど、場合によっては増し打ちを選びます。
最近では「高耐候シーリング材」と呼ばれる20年程度の耐久性が期待できる製品もあり、メンテナンスの頻度を減らすことができるでしょう。それでも、定期的な点検とメンテナンスを欠かさないことが、長く住まいを守る秘訣です。
まとめ

特殊コーティングされたサイディングは、美観性や耐候性に優れた優秀な外壁材です。
しかし、そのメリットばかりに注目し、「メンテナンス不要」と誤解してしまうと、大切な住まいを雨漏りや劣化から守れなくなってしまいます。
光触媒、無機系、親水性、フッ素などで加工された外壁材は「難付着サイディング」と呼ばれ、塗装時には専用の下塗り材が必要です。
また、外壁本体は長持ちしても、シーリングは7〜10年で劣化するため、定期的な打ち替えが欠かせません。外壁とシーリング、それぞれの寿命を正しく理解し、計画的なメンテナンスを行うことが、住まいを長く守る秘訣です。
「外壁がまだきれいだから」と安心して放置するのではなく、シーリングの点検と難付着サイディングへの正しい知識を持って、長く快適に住める家を維持していきましょう。
ご自宅の外壁が難付着サイディングなのか分からない、という方もご安心ください。プロタイムズ長野若里店の経験豊富な自社職人が、外壁の状態に応じて適したメンテナンス方法をご提案いたします。気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
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