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太陽光パネルが付いた屋根にカバー工法はできるのか?
2025.08.04
屋根リフォーム
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太陽光発電システムの固定買取制度(FIT)が始まってから10年以上が経ち、パネルを載せた住宅において、塗装などのメンテナンスが必要な時期に入っています。
メンテナンスが必要な時期になってはじめて「太陽光パネルがあっても屋根のメンテナンスはできるのだろうか」と相談に来られるケースも増えてきました。
東京都などの地方自治体で、太陽光パネルの設置義務化に向けた動きが始まっており、これから太陽光パネルの設置を検討される方も多いかもしれません。
太陽光パネルと屋根のメンテナンスに悩んでいる方にとって、この記事が有益な情報源となることを願っています。
☑ 太陽光パネル付きの屋根にカバー工法は可能。ただし諸条件あり
☑ 太陽光パネル付きの屋根に塗装する場合は、パネルを着脱する方法と、付けたまま塗装する方法がある
☑ 太陽光パネルの着脱には専門的な知識と技術が求められる
☑ 太陽光パネルの着脱の際は、事前に保障内容を確認しておくこと
☑ 太陽光パネルの着脱には、着脱費、保管費、架台の交換費用などがかかる
太陽光パネル付き屋根にカバー工法は可能か
太陽光パネル付きの屋根にカバー工法を適用することは可能です。
ただし、いくつかの条件や注意点を考慮する必要があります。
そもそも、屋根カバー工法とは?

カバー工法とは、既存の屋根材を撤去せずにその上から新しい屋根材を重ねる工法です。
カバー工法のメリットは、既存の屋根材を撤去せずに新しい屋根材を被せるため、工期が短く、廃材が少ないことです。この方法は、屋根の強度を高めると同時に、断熱性能や防水性能も向上させることができます。
しかし、既存の屋根の状態が悪い場合には、カバー工法が適さないことがあります。特に、雨漏りなどで屋根材が腐食している場合や構造自体に問題がある場合には、根本的な修理が必要です。
また、太陽光パネルが設置されている場合は、パネルの取り外しや再設置が必要になり、追加の費用と時間がかかります。
太陽光パネルがある場合の注意点
太陽光パネルが設置されている屋根にカバー工法を適用する際には、いくつかの重要な注意点があります。
屋根への影響

まず、太陽光パネルの重量と設置方法が屋根の構造にどのように影響を与えているかを確認する必要があります。
屋根の強度が不足している場合、カバー工法によってさらに負担がかかる可能性があり、耐震性が下がったり、劣化が進んだりする可能性があります。
専門家による事前の診断が不可欠です。
着脱時の破損等リスク
また、太陽光パネルの配線や接続部分への影響も考慮しなければなりません。
カバー工法で屋根をリフォームする場合、太陽光パネルは一度取り外し、工事完了後に再び設置する必要があります。この際、配線や接続部分に不具合が出ないよう注意が必要です。
再設置後には専用の測定器を使って、発電が正常に行われているかを確認しますが、作業中にパネルや計器を傷つけないよう、細心の注意を払うことが求められます。
保証から外れるリスク

さらに、太陽光パネルの保証に影響が出る可能性もあります。
メーカー保証は、発電効率の低下やパネルの物理的破損などには対応していますが、屋根のリフォームでパネルを脱着した際に起きたトラブルには適用されません。もし脱着作業中に故障などが発生した場合、出力保証はそのままでも、製品保証はそこで終了してしまう可能性があります。
そのため、工事を依頼する業者が、脱着作業によるトラブルもカバーできる独自の保証を用意しているか、事前にしっかり確認しておくことが大切です。
適切な架台を使用する
なお、カバー工法で屋根材が変わると、太陽光を取り付ける架台(太陽光パネルを支える台)の取付金具も屋根材に合わせて変える必要があります。
取付金具の選定が不適切だと、屋根の防水性が損なわれるリスクもあるため、慎重な判断が求められます。太陽光パネルメーカーから専用の架台が提供されているかを確認することが大切です。
太陽光パネルがある屋根の塗装方法は

太陽光パネルがある屋根を塗装する場合、パネルを着脱する場合と、パネルをのせたまま塗装する(着脱しない)方法があります。お住まいの状況に合わせて塗装方法は変わってきます。
塗装工事は、パネル脱着の機会に行うのがベストですが、太陽光パネルを取り付けたまま屋根の塗装工事を行うことも可能です。パネルを避けて塗装することになるので、パネルの下は屋根の色が異なることになります。
また、新築時にパネルが設置された部分は、基本的に紫外線の影響を受けないため、劣化は少ないですが、築年数が経過した後に太陽光パネルを設置した場合、見えない部分で屋根材の傷みが進んでいる可能性があります。
パネルをのせたまま塗装する場合は、施工中にパネルに物をぶつけたり、高圧洗浄の水や塗料がかからないようにするなど細心の注意が必要になります。
なお、作業中に太陽光パネルを誤って破損させてしまった場合でも、メーカーの保証対象外。施工業者に、脱着による影響や補償の有無を事前に確認するようにしましょう。
太陽光パネルの脱着とその影響
太陽光パネルの脱着は、屋根のリフォームやカバー工法を行う際に必要となることが多いです。パネルを一時的に取り外すことで、屋根材の交換や補修がスムーズに行えます。しかし、脱着作業にはリスクが伴い、特にパネルの接続部や配線が損傷しないよう注意が必要です。特に、パネルの取り外しや再設置の際には、専門的な知識と技術が求められます。
例えば、脱着作業中に誤って破損させてしまったり、配線を引っ張りすぎて断線させてしまうと、修理費用がかさむだけでなく、発電効率にも影響が出ることがあります。
施工業者の選定

製品保証はシステムの不具合などが起きた際には適用されますが、リフォーム時の脱着作業によって発生した不具合には適用されません。その場合には、施工業者が提供する施工保証が適用されます。万が一の場合に施工店が補償してくれるものですが、保証内容は業者によって異なります。事前に確認しておけば安心して工事を依頼できるでしょう。
また、多くの太陽光パネルメーカーは、施工IDや認定制度を導入しています。
太陽光発電システムは、正しい施工をしないと発電効率の低下や雨漏り、感電リスクなどの重大なトラブルにつながるため、主要な太陽光パネルメーカーは、施工ID(またはそれに相当する「認定施工制度」)を設けています。
施工ID業者は、メーカーの講習や研修を受け、製品構造や施工マニュアルを熟知しているので、施工ID業者に依頼をすれば、施工トラブルのリスクが大幅に軽減されるでしょう。
太陽光パネルを設置する前に知っておきたい、屋根リフォームとの関係
太陽光パネル設置に向かない屋根材

近年は減少傾向にあるとはいえ、スレートやアスファルトシングルは新築で主流の屋根材です。
これらの屋根材は10年ごとの塗装メンテナンスや、築20~30年ほどで葺き替えやカバー工法による重ね葺きが必要になることが一般的です。
一方で、太陽光パネルの出力保証期間は20~25年、実際には30年程度の耐久性があると言われています。
そのため、パネルの耐用年数を待たずに屋根材のメンテナンスや葺き替えが必要になることがあります。
また、スレートやアスファルトシングルは薄く割れやすい屋根材です。太陽光パネルの架台を設置する際に、ビス止めや荷重で屋根材が破損することもあり、破損に気づかず放置されると、雨漏りの原因になる恐れがあります。
太陽光パネルをスレートやアスファルトシングルの屋根に設置すること自体は可能ですがリスクが多く、将来的なメンテナンス費用・トラブルを考慮すると「慎重に判断すべき」屋根材であるといえます。
雨漏りリスクと保証の問題

現在は施工品質が向上してきたものの、太陽光パネル設置による雨漏りの相談は少なくありません。
特に、屋根にビス固定する工法は、屋根の下の防水シートに穴を空けて固定するためため、施工ミスで雨漏りする可能性が高まります。
また、太陽光パネルを設置している屋根から雨漏りが発生した場合、パネルを一度外したうえで屋根の修理を行う必要があり、その分の手間と費用が大きく膨らむことになります。
太陽光パネル設置後に雨漏りが発生した場合、どこが保証するのかも明確にしておきましょう。
施工不良による雨漏りなど、工事瑕疵に対する補償は販売店や施工業者が対応することになります。しかし、その内容や適用範囲は業者ごとに異なりますので、詳細を事前に確認しておきましょう。
そのため、パネル設置前には「屋根材の選定」や「今後のメンテナンス計画」までをしっかり考え、なにより信頼できる業者を自ら見極めることが重要です。
リフォーム時にかかる太陽光パネルの思わぬ費用
太陽光パネルがある家では、リフォーム時に発生する脱着費用が想像以上に大きな負担になります。
具体的には以下のような項目に費用がかかります。
パネルの取り外し費用:15〜20万円
取り外したパネルの保管費用:5〜10万円(施主様の敷地保管可)
パネルの再取り付け費用:15~20万円
架台や金具の交換・設置費用:10〜15万円
合計で50〜65万円程度、場合によってはそれ以上の追加コストが必要になるケースもあります。
太陽光パネルの採用時には「初期費用が回収できるかどうか」を気にされるでしょう。
しかし上記の脱着費用を考慮すると、想定していた収益シミュレーションに大きなズレが生じる可能性があります。
このような費用は太陽光パネルメーカーや販売業者からはあまり告知されず、リフォームを機に初めて知る人も少なくありません。したがって、これから設置を検討されている方は、リフォームや屋根工事を計画する前に、脱着・保管・再設置にかかる費用を含めた全体のコストをしっかり把握しておくことが重要です。
まとめ:太陽光パネルの屋根にカバー工法は可能か

太陽光パネルの設置は、将来のリフォームや屋根のメンテナンスにも大きく関わります。
設置時には見えなかった費用やリスクが、後になってから顕在化するケースも少なくありません。
だからこそ、設置前に屋根材の種類やメンテナンス計画、そして施工業者の保証内容まで、しっかりと確認しておくことが重要です。
太陽光パネルを設置した屋根に塗装やカバー工法を行うことは、可能です。ただし、屋根工事や外装リフォームの実績が豊富で、脱着・再設置に関する保証や費用を明確に説明できる業者に依頼するのが良いでしょう。
信頼できる業者に相談し、自分の家に最適な方法を一緒に考えてみてください。

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