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ご自宅のベランダや屋上には、実はしっかりと防水工事が施されていることをご存じでしょうか。
普段はあまり意識することのない部分ですが、建物を雨などから守るうえで欠かせない重要な役割を担っています。

なかでも「最強の防水」といわれるのがFRP防水です。繊維強化プラスチックを使ったこの工法は、軽くて丈夫、さらに耐久性や防水性能にも優れており、住宅のベランダやバルコニーに幅広く採用されています。
しかし、そんなFRP防水であっても年月とともに劣化することは避けられません。
剥がれてきた、ひび割れが見られるといった劣化サインを見逃さないことが、雨漏りを未然に防ぎ、防水層を長持ちさせるポイントです。

本記事では、FRP防水の特徴や施工方法、寿命を延ばすためのメンテナンスのコツについて、わかりやすく解説していきます。

この記事のPOINT

☑ 防水工事は大きく、アスファルト防水、塩ビシート防水、ウレタン防水、FRP防水の4種
☑ FRP防水は繊維強化プラスチックを使った防水の工法で、防水性能が高い
☑ FRP防水の弱点は、ひび割しやすい点と初期コストの高さ
☑ 5~7年毎のトップコートの塗り替えで、防水性能を高く保つことができる

防水工事ってどんなもの?

屋上

防水工事とは、屋上やベランダ、バルコニーなど、雨水が直接かかる場所から建物内部に水が入り込むのを防ぐ工事のことです。
防水層と呼ばれる水の侵入を防ぐ層をつくることで、建物の寿命を延ばす役割を果たしています。

ただし、経年劣化により防水効果は徐々に弱まるため、定期的な防水施工が必要になります。
そのまま放置してしまうと、ひび割れやつなぎ目から雨水が入り込み、雨漏りや内部の腐食、鉄筋のサビ、さらにはカビやシロアリの発生といった大きな被害につながります。

つまり防水工事は、建物を長く安全に使うために欠かせない基本的な工事であり、外壁塗装や屋根塗装と同じくらい重要な役割を担っているのです。

防水工事の種類

アスファルト防水
ウレタン防水
シート防水

防水工事の種類は大まかに分けると4種類あります。

アスファルト防水工事
シート状になったアスファルトをトーチ(火)であぶって貼り付けます。耐久性が高く、防水性能が特に必要な大型建物や工場によく使用されます

 ウレタン防水工事
ウレタン樹脂を硬化させて防水層を形成します。液状なので複雑な形状にも施工しやすく、住宅の屋上、陸屋根、屋根の複雑な形状部分に施工されます

塩ビシート防水工事
塩化ビニルで作られた防水シートを貼って施工します。工場で製造されたシートを貼り付けるため大面積にも対応しやすく、大規模施設の屋上、駐車場によく使用されます。

FRP防水とは?

FRP防水は、ガラス繊維などで強化されたプラスチックを使う防水工法です。
仕上がると硬くて軽く、耐久性や耐水性に優れるため、住宅のベランダや屋上だけでなく、家庭の浴槽や船舶、貯水槽など、水や湿気にさらされる環境にも幅広く利用されています。
こうした実績と性能の高さから、FRP防水は「住宅防水の中で最強」ともいわれています。

FRP防水の基本的な仕組み

FRPはプラスチックの一種で、その名称は英語の Fibre(繊維) Reinforced(強化) Plastics(プラスチック) の頭文字からきています。

製造工程では、液状のポリエステル樹脂に硬化剤を混ぜ、補強材としてガラス繊維マットを組み合わせます。ガラス繊維マットに樹脂を浸透させて硬化させることで、面全体が連続した一体構造となり、強度が高く継ぎ目がほとんど生じない防水層が形成されます。

この構造により、FRP防水は衝撃や歩行による荷重に強く、膨れや浸水を抑え、耐用年数の安定にもつながります。仕上げとして、紫外線から防水層を守るトップコートを塗布し、表面の劣化を遅らせます。

FRP防水のメリットとデメリット

FRP防水は硬化が速く短工期で仕上がり、複雑形状にも追従しやすい点は大きな強み。
一方で、トップコートの劣化が進むと防水層が露出し、ひび割れや剥がれが起こりやすくなります。
ウレタン防水と比べると初期費用が比較的高く、また10年未満で維持費が発生しやすい点は理解しておきたいところ。
適切な保護で期待耐用年数20年前後も狙える一方、放置すれば10年未満で性能低下に直結します。

メリット:FRP防水の優れた防水性能

FRP防水は、ガラス繊維と樹脂を積層して形成する強靭な一体成形の防水層です。
継ぎ目がなくピンホール(小さな穴)も生じにくいため、雨水の侵入を抑えやすく、雨漏りのリスクを大幅に減らします。
荷重に強く、重い鉢植えや機器を直接置いても問題ありません。耐摩耗性や耐薬品性にも優れます。

複雑な形状や入隅、配管貫通部などにも継ぎ目のない防水層を施工できるため、住宅のベランダや屋上はもちろん、改修工事にも適しています。硬化が早く短工期で施工できるため、集合住宅や入居中の住宅でも負担を抑えて施工可能です。
さらに既存下地の上に重ね塗りできるケースもあり、改修工事ではコストや工期の圧縮にもつながります。

耐用年数は一般的に10〜15年ですが、日光の当たらないベランダでは、適切なトップコートの更新によってさらに延ばすことができるでしょう。
こうした特長により、FRP防水は耐久性・施工性・維持コストのバランスに優れ、長期的に安心できる防水仕様として選ばれているのです。

デメリット:FRP防水のコストと施工制限

デメリットとしてはウレタン防水やシート防水と比べると材料費や施工費が高くなる傾向があること。特に複雑な形状の箇所では工期や費用が増える場合があります。

またFRP防水は硬化すると建物の動きに追従できず、ひび割れが発生しやすい傾向があります。そのため木造の広いバルコニー等の施工には向いていません。

また、施工時にはスチレン臭が強く発生するため、十分な換気が必要です。特に集合住宅では、施工時間帯や養生計画に配慮することが重要です。

直射日光や降雨に常時さらされるバルコニーや屋上では、ベランダ部分よりも劣化が早く進みやすいです。
トップコートは5〜7年ごとの再塗装が推奨されます。定期的にトップコートを塗り替えることで防水性能を保つことができますので、維持費も予め見込んでおきましょう。

FRP防水の耐用年数とメンテナンス

FRP防水は、耐用年数を超えたら新しく防水工事を行うことを検討します。
紫外線や温度差、歩行荷重でまずトップコートが劣化し、保護力が落ちると下の防水層の劣化が進行するためです。

一般的なFRP防水の寿命

FRP防水の耐用年数は一般に10〜15年ですが、適切なメンテナンスにより15年程度まで安定して使えるでしょう。
ガラス繊維と樹脂で一体化した防水層は強靭ですが、紫外線や温度差、歩行荷重でトップコートが劣化すると防水層が露出しやすくなります。

5〜7年ごとのトップコート再塗装と年1回の点検、排水口清掃やシーリング補修を行うと長持ちしやすいでしょう。勾配不足で水たまりができている場合や、塩害地域では劣化が早まるため点検周期を短縮してください。

FRP防水のメンテナンス方法

■ トップコートの塗り替え

千曲市ベランダ防水 トップコート塗布

防水層表面を保護するトップコートは紫外線や摩耗によって劣化するため、5〜7年ごとの再塗装が推奨されます。
この塗り替えを怠ると、防水層自体が劣化し漏水リスクが高まります。
表面の劣化のみであればトップコートを塗り直すだけで済み、メンテナンスコストが軽減されます。

防水層の再施工

FRP防水層が劣化した場合は、再施工が必要になります。

下地の強度に問題がない場合は、既存のFRP防水層の上に新しい防水層とトップコートを重ねて施工できます。まず、傷んでいる部分を取り除き補修した後、その上に新たな防水層を形成します。これにより、防水性能を回復させ、施工時間や費用を抑えながら耐久性を高められます。

一方、雨漏りなどで下地が腐食していたり、強度が低下している場合は、既存のFRP防水層を完全にはがし、床面に新しい下地材(ベニヤなど)を貼って最初から防水層を作り直す必要があります。

FRP防水の劣化症状はどういうものか

ひび割れ
剥がれ
カビ / 水たまりができる

FRP防水は劣化の初期対応が早いほど、耐用年数をしっかり維持できます。
トップコートの劣化が初期段階であれば、再塗装だけで対応できます。しかし劣化が進むと、防水層そのものの修復が必要になります。
ただの小さなひび割れに見えても、内部では劣化が進んでいる可能性があります。そうなると簡単な補修では済まず、大規模な防水工事や下地のやり替えが必要になる場合もあります。

トップコートの剥がれやひび割れ

ベランダやバルコニーの床を見てみましょう。床の点検を行う前に汚れを落としておくと見分けやすいです。

まずは表面の色あせ・変色です。紫外線や摩擦によりトップコートが劣化している状態です。
トップコートが剥がれると、素地露出し、防水層そのものが直接ダメージを受けるようになります。下に繊維状のものが見えている場合は早急な補修が必要です。

特に現れやすいのがひび割れ(微細なクラック)です。表面の細かいひび割れは、直ちに雨漏りに繋がるわけではありませんが、劣化が進行すると雨漏りのリスクになります。

ヘアクラック(髪の毛ほどの細いひび割れ)程度ならトップコート再塗装で抑えられる場合があります。小さな剥がれでも放置せず、あなたの住まいに合う補修方法を専門業者に確認してください。

防水層の浮きや雨漏り

防水層はFRP防水の核心部分で、これが劣化すると防水性能が失われ、雨漏りなどの深刻な被害につながります。

防水層に膨れや浮きが見られる場合、内部に空気や水分が入り込んでいる可能性があります。これは防水層と下地の間に隙間が生じることで発生する現象で、既に雨漏りが起きていることも少なくありません。
既に雨漏りが発生している場合、防水層だけでなく下地や建物の構造部分まで水が浸透し、劣化を引き起こします。歩くと「ふかふかする」といった違和感を感じる場合は、既に腐食が進行しており、下地ごと新しく交換する再防水工事を実施する必要があります。

FRP防水の施工方法とその流れ

FRP防水は「施工品質 × 材料品質」によって寿命が決まります。どちらかが低いと全体の耐久性は落ちます。だからこそ、信頼できる施工業者と高品質の材料選びが重要です。

下地処理とプライマー塗布

FFRP防水の耐久性を高めるためには、下地処理とプライマー塗布が非常に重要です。施工前に既存塗膜や汚れ、油分を取り除き、ケレンや高圧洗浄で下地を清掃します。

必要に応じてクラックや勾配不良を補修し、下地の状態を整えます。下地が適切に処理されていないと、防水層の密着不良や膨れ、早期の劣化につながります。

清掃・補修後は、プライマーを均一に塗布します。下地と防水層の密着性が高まり、防水性能が安定します。特に立上りや入隅、端部は補強処理を施すことで、耐久性をさらに高めることが可能です。こうした下地処理とプライマー塗布を丁寧に行うことが、FRP防水の品質を左右します。

ガラスマットの設置と中塗り

FRP防水の要となる工程が、ガラスマットの設置と中塗りです。
この工程では、ガラス繊維マットに樹脂を含浸させ、一体化した強固な防水層を作ります。これにより、荷重や温度変化に耐える耐久性の高い層が形成されます。
施工の際は、下地に樹脂を均一に塗布し、シワや空気が入らないようガラスマットを敷き込みます。その後、中塗りで表面を平滑に整えることで、防水性能と仕上がりが安定します。

FRP防水には「1プライ」と「2プライ」という工法があります。
1プライはガラスマットを1層だけ施工する方法で、コストや施工時間を抑えられる反面、耐久性はやや低くなります。既存の防水層の上に施工する重ね塗りなど、軽度な補修や部分的施工の際に選択されます。
一方、2プライはガラスマットを2層施工し、防水層を厚くする方法で、耐久性や強度が高まります。そのため、耐用年数や安全性を重視する場合は2プライが一般的に選ばれます。

こうした丁寧な施工によって、防水層の強度が確保され、FRP防水の耐用年数を最大化できます。

トップコート仕上げ

トップコートは防水層の表面を覆う保護膜として、紫外線や摩耗から防水層を守ります。これにより劣化の進行を遅らせ、定期的な再塗装で性能を回復することが可能になります。

必要に応じて防滑材を散布すれば、歩行時の安全性が高まり、汚れの付着も抑えられます。

まとめ

FRP防水

FRP防水は「最強の防水工法」と呼ばれるほど高い防水性能を持ちますが、経年による劣化は避けられません。

特に屋上やバルコニーのように日光が直接当たる場所は、紫外線や摩耗によってトップコートや防水層が劣化しやすくなります。劣化を放置すると防水性能が低下し、雨漏りや下地の劣化につながるため注意が必要です。
劣化が初期段階であれば、トップコートの塗り替えだけで防水性能を回復することができるでしょう。

新築から長い年月が経過しているなら、損傷や剥がれ、褪色などはないか状態を確認してみてください。気になる点があったら一度、業者に見てもらうことをおススメします。

メンテナンスを行うことで防水層だけでなく建物の長寿命化にもつながります。
ベランダやバルコニーの劣化について気になっている、10年以上メンテナンスを行っていない場合は、ぜひプロタイムズ長野若里店へお気軽にお問い合わせください。

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