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家の外壁に取り付けられる「幕板(まくいた)」。
昔の家には必ずと言っていいほど付いていましたが、最近の住宅では見かけなくなってきました。

戸建て住宅の塗り替えリフォームで、意外な落とし穴になっているのが「幕板」です。実は外壁よりも劣化が早いので、塗り替えをする頃には損傷が激しく、塗装では対処できないケースも多く見られます。
既存住宅では幕板の劣化が原因で外壁を傷めてしまったり、雨水が入り込むリスクが生じたりすることもあり、適切なメンテナンスが重要になります。

本記事では、幕板が劣化しやすい理由、塗装・交換・カバー工法といったメンテナンス方法、そして撤去という選択肢まで、わかりやすく解説します。
ぜひ参考にしてください。

この記事のPOINT

☑ 幕板とは住宅の外壁で上下の仕切りに使われている帯状のもの
☑ 幕板の役割は、意匠性の向上と防水・保護
☑ 幕板は劣化しやすく、劣化が目立ちやすい
☑ リフォーム時には幕板撤去も検討する
☑ 幕板のメンテナンス方法は塗装、カバー工法、交換

幕板とは何か?基本を知ろう

幕板(まくいた)とは、建物の外壁や内装などに取り付けられる、境界的な役割を持った横板の総称です。
簡単に言えば、「区切りや仕切りとしての板材」と考えると分かりやすいでしょう。材質も木に限らず、幅のある帯状のものを指します。

外壁にある幕板とは、外壁の中間や階ごとの境目に取り付ける横長の化粧材で、建物の顔つきを整えつつ雨だれの汚れを受け止める役割を持ちます。

外壁の装飾としての幕板の役割

幕板は外壁の装飾性を高める要の部材で、住宅の印象を上質に見せる役割があります。
色や素材で外壁のトーンを引き締め、陰影を生み出すことで立体感が増し、単調さを避けられます。

例えば、1階と2階で外壁のデザインや素材が違う場合、そのままつなぐと境目がはっきりして見た目に違和感が出てしまいます。2色塗り分けの境界に幕板を配すとラインが美しく強調され、サイディング住宅でも高級感を演出できます。

住宅地の景観協定がある地域でも、控えめな装飾として採用しやすいのが利点です。

雨水対策と構造保護

幕板は、外壁への雨水の侵入を減らし、家の構造を守るための補助的なパーツです。
横方向に取り付けることで、雨水の流れを整え、サイディングの継ぎ目や開口部に水が入り込みにくくします。

特にサイディングの目地や1階・2階の境目(階間)は雨水が集中しやすく、外壁材の継ぎ目から、雨水が外壁内部に入り込む恐れもあります。そのため幕板があるかどうかで耐久性に差が出ることがあります。

幕板のデメリット

施工前 幕板の凍害

劣化しやすい

幕板は外壁の中でも特に劣化しやすい部材と言われています。それは幕板が薄く、吸水しやすく、水が集まる構造だからです。

幕板は外壁よりわずかに出っ張っていることが多く、その上端の“段差部分”に雨水が溜まりやすい構造になっています。

また外壁に用いられる幕板は 木材製・セメント系(窯業系)が多く、これらは特に水に弱いです。塗膜が劣化すると木材の場合は腐食やカビが発生しやすく、窯業系の幕板は吸水により割れや欠損、凍害被害に遭いやすいです。
幕板は外壁本体よりも薄いことが多く、ダメージを受けやすいため劣化が早いです。

加えて、強い紫外線を受ける “位置” にあることも劣化しやすい原因です。幕板は建物の中央付近にあり、庇(ひさし)や屋根の影で守られにくいため紫外線の影響を受けやすい場所です。そのため、色あせ、反り、塗膜の劣化などが外壁より早く起きやすくなります。

これらにより外壁本体より早くダメになる ケースが多く、外壁の塗り替えを行うタイミングでは、幕板だけ大きく傷んでおり塗装が難しいケースが非常に多いのです。

劣化が目立ちやすい

幕板は、外壁の中央付近に取り付けられるため、劣化がとても目につきやすい部材です。
雨や紫外線を受けやすい位置にありるため、外壁よりも早く色あせ・反り・ひび割れなどの症状が出ることが多く、外観全体の印象を損ねてしまう原因になります。

さらに、幕板は外壁より薄く、劣化が進むと、欠けや爆裂などの欠損が起きやすいため、少しの不具合でも外からはっきりと確認できてしまいます。

幕板の必要性について

幕板は外観を整えるための 装飾的・補助的な部材 であり、建物の構造安全性や防水性能を左右する「必須部材」ではありません。
最近の窯業系サイディングは、単体で防水・耐候性が確立しているため、幕板が無くても雨水の侵入を防ぐ仕組みが完成しているため、機能上の問題はありません。

1階と2階の継ぎ目は、幕板がなくても問題なく施工できます。サイディングメーカーの標準施工では、階と階の境目(階間)に幕板を設置することは必須ではありません。大手サイディングメーカー(ケイミュー、ニチハ、旭トステムなど)の技術資料でも、幕板の設置は必須項目ではなく、デザイン上のオプション扱いであることが明記されています。
正しく目地を取り、下地と防水層が施工されていれば、揺れの吸収や雨水対策、仕上げの調整は幕板無しでも十分に機能します。

リフォームでは、幕板は撤去も検討すべき

幕板はもともと外観をおしゃれに見せるための装飾的な部材ですが、適切に施工・維持されていないと雨漏りリスクが高まりやすく、外壁の中でも特に劣化しやすい部分です。

さらに、最近の住宅では幕板そのものを設置しないケースが主流で、なくても一般的には不要・機能上の問題はないどころか、メンテナンスの手間が減るというメリットもあります。

そのため、外壁塗装や修繕のタイミングで、「いっそ幕板を撤去する」という選択肢を持つことは、住宅の健康にとってむしろプラスです。
不要な部材を減らすことで、劣化リスクや雨仕舞いの弱点をなくすことができ、長い目で見て家をより守りやすくなります。

幕板のメンテナンスと注意点

今ある幕板を維持していきたい場合は、次のことに注意しましょう。

塗装によるメンテナンス

幕板の表面が劣化している場合は、塗装で美観を回復できます。
紫外線や風雨の影響で塗膜が劣化すると、幕板が吸水しやすくなり、劣化が早まります。幕板の劣化を防ぐには、劣化が進行する前に塗装によるメンテナンスを行う必要があります。

幕板の劣化が進行している場合は、塗装によるメンテナンスは向きません。
水分を含んだ幕板は、塗装しても塗膜が膨れる・ひび割れる・剥がれる といった不具合が出やすく長持ちしないため、劣化が進んだ幕板の塗装はリスクが高いと言えます。

また塗装やシーリングで表面の劣化をある程度は抑えられますが、幕板そのものの老朽化を止めることはできませんので、今後も定期的な点検・メンテナンスが欠かせません。

幕板交換のタイミング

幕板交換の適切なタイミングは、劣化が進行し補修では耐久性を確保できないと判断したときです。
築年数の目安はモルタルや窯業系外壁で10〜15年、前回補修後でも3〜5年で再劣化する場合は交換を検討してください。

⚫︎部分交換: 幕板の一部が割れた・欠け、周囲の外壁材が健全、同じ規格の幕板が入手できるケース

一部の幕板が劣化している場合は、部分的な交換で対応できます。既存と同じサイズ・厚みの幕板が手に入るかが問題になります。メーカー廃番になっているケースが多く、廃番の場合は「似た形状の幕板を加工して合わせる」ことになり、違和感が出る場合があります。

⚫︎全面交換: 全体的に反り・浮きがある、廃番で代替品がないケース

全ての幕板が劣化している場合は、全面的な交換が必要です。外壁のデザインや色に合わせて、新しい幕板を選びましょう。

幕板カバー工法の利点

カバー工法施工後

幕板の傷みがひどく、塗装では補修しきれない場合は、板金材で幕板を覆う「カバー工法」 がよく採用されます。

住宅の塗り替え現場では、塗装業者が板金専門業者に依頼してこのカバー工法を行うケースが一般的です。幕板カバー工法は既存の幕板を残したまま新材で覆い、外観と防水性能を同時に高められるのが強みです。
交換よりも工期や費用を抑えられるメリットがありますが、板金で覆う分だけ厚みが増えるため、収まりや周囲とのバランスに注意が必要です。

まとめ

幕板は外壁よりも早く劣化しやすい部分です。日常的に目に留まりにくい部材ですが、傷んだまま放置すると雨水が入り込みやすくなり、内部の腐食や雨漏りなど、想定外の修繕費につながることもあります。

幕板は、塗装・カバー工法・交換など、状態によって選ぶべきメンテナンスが異なります。劣化を放置すると補修範囲が広がり、費用も大きくなるため、早めの対応が重要です。
また、幕板はもともと意匠的な役割が大きい部材のため、メンテナンスのタイミングで「撤去してしまう」という選択肢も十分に検討できます。

当店では、外壁の状況を丁寧に確認し、お住まいに最適な対応方法をご提案しています。無料点検も行っていますので、気になる方はどうぞお気軽にご相談ください。

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