外壁塗装を行う際、養生作業は必要な工程です。
養生とは、塗装作業中に塗装以外の場所や設備機器を保護するために行われる作業のことで、マスキングテープや養生シートなどで覆います。
養生にはどんな道具を用いるのか、養生をする際に気を付けることなど、お家でDIYをする際やこれから塗装を検討されている方は、この記事を参考にしてみてください。

養生作業を行う２つの目的

塗料の付着や飛散を防ぐ

養生は塗料の飛散防止や付着防止を目的に行われます。
塗料はその性質上、飛び散りや滴り落ちることが多く、これを防ぐために養生が必要になります。
具体的には、塗装される壁面だけでなく、その周辺の床や他の壁、さらには近隣の建物や駐車してある車等への塗料の飛散を防ぎます。
作業がのスムーズな進行にも寄与します。

また、養生は近隣住民との関係性を保つためにも重要です。
塗料や高圧洗浄による水の飛散は、ご近所との間でトラブルの原因となります。
養生をしっかりと行うことで、これらのリスクを最小限に抑え、作業の安全性と周囲への配慮を確保することができます。

仕上がりを助ける

養生作業には保護だけでなく、塗装作業の品質を高める重要な役割もあります。
塗装の仕上がりの美しさも左右するのです。
例えば、窓やドアなど塗装しない部分に養生を行うことで、塗料がはみ出ることなく、きれいな直線が引けます。
これにより、外壁のデザインが守られ、家全体の美観を保つことができるのです。

逆に、養生が不十分だと、塗料が必要ない場所にも飛び散り、境界線が不明瞭になってしまいます。
その結果、見た目にも美しくない印象を与えてしまいます。

養生は、塗装作業の見た目だけでなく、長期的な耐久性にも影響を及ぼします。正確な養生により、塗装されるべき場所とそうでない場所が明確に分けられ、塗料の無駄遣いを防ぎつつ、塗装の効果を最大限に引き出すことができます。

どのような道具を使い養生するのか？養生用の8つの製品を解説

１．マスキングテープ

このテープは、小さな9ミリといった細い幅のものから30ミリといった幅のものまであり、窓ガラスやドアノブ、照明器具など、塗料を避けたい箇所に貼り付けることで、塗装範囲を分かりやすく且つ対象物以外に塗料が付着しないようにします。

様々な粘着力の物があり、適切なテープを選ぶ事で対象物を痛めることなく養生することができます。
作業完了後にテープを剥がせば、きれいに見切れています。

マスキングテープは種類が豊富で、用途に応じた選択が可能です。例えば、屋外用のものでは耐候性に優れた素材が使われており、長期間の養生にも耐えることができます。
内装作業に適したものでは、壁紙を傷めにくい特徴を持つものもあります。

２．マスカー

マスカーとは、養生時に使用するポリエチレン製のシートとマスキングテープが合体した便利なアイテムで、保護したい範囲をカバーしつつ、その周辺をテープで固定する作業を一度に行えるため、作業の手間を大幅に削減します。
一般的に、マスカーのシートは550㎜以上あり、養生の対象に対しカバーできる長さのものを選ぶ事で、より効率的に養生を行う事ができます。

３．養生用ポリシート

養生用ポリシートは、外壁塗装の際に最も頻繁に使用される養生材の一つです。
このシートは、ポリエチレン製の薄いビニールシートで、窓やドア、植栽など、塗料がかからないように保護するために使用されます。
その特徴として、塗料がシートに付着しても乾燥後でも簡単に剥がれません。
これにより、作業後の清掃が容易になり、周辺環境を塗料の汚れから守ることができます。

４．テーププライマー

マスキングテープだけでは、粘着力が不十分となりがちな素材に対して、その密着力を向上させるために使用される製品です。
具体的には、コンクリートやアスファルト、さらには表面の凹凸が激しい箇所など、通常のマスキングテープだけではしっかりと固定できない場合に活躍します。

テーププライマーを適用することで、塗装時の養生テープが剥がれにくくなり、塗料のはみ出しや不要な部分への塗装を防ぐことができます。

５．ノンスリップマスカー

ノンスリップマスカーは、滑り止め加工が施されたマスカーであり、特に玄関やベランダなど滑りやすい場所の床面をカバーするのに適しています。
作業中の職人が滑って転倒するリスクを減らし、事故防止に寄与します。
安全対策としての役割は非常に大きく、作業効率の向上にもつながります。

６．室外機専用シート

このシートは、エアコンの室外機や給湯器といった設備を塗装作業中の塗料の飛散やほこりから保護するためのものです。一般的に、エアコンの室外機は外に設置されているため、外壁塗装の際にはその保護が必須になります。

また、室外機専用シートは通気性に優れます。
メッシュ状の素材でできており、シートで覆われていても室外機の排気機能を妨げません。

７．車用カバー

車用カバーは外壁塗装作業中、車両を塗料の飛散やほこりから守る役割を果たします。
このカバーは一台の車を完全に覆うことが可能で、素材にはビニールや不織布、さらには耐久性に優れた厚手のものまで多岐にわたります。
外壁塗装の際に、車用カバーを使用することで、自分の車や近隣の車を保護し、塗装作業の影響を最小限に抑えることができます。

８．飛散防止ネット

外壁塗装において、高圧洗浄汚水や塗料の飛散防止の観点から、飛散防止ネットの使用が欠かせません。近隣への配慮にもなります。
このネットは、施工中の建物を包み込むような形で設置され、塗料や高圧洗浄で発生する汚水が周囲に飛び散るのを防ぎます。特に、風の強い日の作業では、飛散防止ネットは重要な役割を果たします。
通気性を確保しながら、塗料や汚水をキャッチするための工夫が施されています。

養生の費用相場

養生にかかる費用は、使用する材料の種類や面積によって異なりますが、一般的には平方メートルあたり300円から500円の間で設定されています。
一般的な戸建て住宅であれば、全体で50,000円から80,000円の養生費用が発生します。
飛散防止ネットに関しては、平方メートルあたり100円から150円のコストが掛かります。

ただし、養生費用は、業者によって見積もりが違います。
業者によっては「一式」として全体の養生費用を提示することがあります。
しっかりとした業者は、飛散防止ネットやテープ、保護シートごとに個別の費用を明記しています。
そのため、外壁塗装を検討する際には、複数の業者から見積もりを取り、養生に関する費用の内訳を確認することが大切です。これにより、総費用の透明性を確保し、予算内で最適な塗装計画を立てることが可能になります。

養生の際の注意点

窓が開けられなくなる

窓は養生シートで覆われるため、開け閉めができなくなります。
塗料の飛散や高圧洗浄水から室内を守るためです。
しかし、作業の進行状況によっては、窓を開けることが可能な場合もあります。
そのため、窓の使用が必要な日があれば、事前に業者に相談しておきましょう。

エアコンが使用できないことがある

室外機に養生するとエアコンが使用できなくなる場合があります。
理由としては、通期が確保できない養生材で室外機を完全に覆ってしまうためで、エアコンの正常な機能を妨げる可能性があるためです。
ただし、中には、特別なカバーを使用してエアコンの利用を可能にしてくれる業者もいます。

そのため、外壁塗装を依頼する際には、エアコンが使用可能かどうかを事前に確認することが大切です。夏場など、エアコンが必要な時期に工事を行う場合は、特にこの点を確認しておくことをおすすめします。

植物に被害を与えてしまう恐れがある

養生の目的は、塗装作業中に建物を保護することにありますが、塗装の過程で庭の植物が意図せず被害を受けることがあります。
特に、全体を覆うネットは植物にとって二重の脅威となります。
一つ目は、ネットが日光の量を大幅に減少させ、光合成に必要な光が不足してしまうこと。
これにより、植物は健康を損ねてしまいます。
二つ目は、塗料の飛散です。塗装作業中に塗料が植物に付着し、その部分を除去しなければならなくなる可能性があります。塗料が植物に付着すると、その部分の機能が失われ、植物の成長に悪影響を及ぼすことがあります。
問題を避けるためには、塗装作業を始める前に、可能な限り植物を移動させるか、適切な保護措置を講じることが重要です。

さいごに

外壁塗装を行う際、塗料の飛散や不要な箇所への塗装を防ぐための養生作業は欠かせません。
この工程は、塗装の品質を左右するだけでなく、周辺環境を保護し、施工中のアクシデントを未然に防ぎます。
養生は、窓や扉、植え込みなど塗装しない部分をカバーするように行われ、専用のテープやシートが使用されます。

外壁塗装の養生にかかる費用や相場は、塗装する建物の大きさや形状、使用する材料によって異なりますが、工事全体の費用の中で大きな割合を占めるわけではありません。
それでも、養生の適切な実施は、塗装工事の品質を高めることになります。

私たちプロタイムズ長野若里店は、塗装のプロフェッショナルとして、私たちはお客様の快適な生活環境作りをサポートさせていただきます。
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