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塗装NGの屋根材がある?プロが教える見分け方と正しいメンテナンス方法
2025.06.30
屋根材のこと
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屋根の塗装は家の美観を保つだけでなく、耐久性を高めるためにも重要です。しかし、中には塗装できない/塗装をおすすめしない屋根材も存在するのです。
それらの屋根材に誤って塗装してしまうと、かえって屋根の寿命を縮めることになりかねません。しかし、残念なことに塗装業者も知らずに塗ってしまっているケースも見られます。
この記事では、塗装できない屋根材と劣化症状を写真付きで分かりやすく解説していきます。
屋根の塗装を考えている方は、この記事であなたの家の屋根材に合った、正しいお手入れをする参考にしてみてください。
☑ 塗装してはいけない屋根材とは「塗装をする意味がない」屋根材のこと
☑ 塗装NGの屋根材に塗装すると、逆に問題を悪化させる可能性がある
☑ 塗装できない屋根材の対策は、カバー工法か葺き替え工事
☑ 塗装してはいけない第二世代のノンアススレートとは
塗装してはいけない屋根材の特徴
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塗装してはいけない屋根材とは、「塗装をする意味がない」屋根材のことです。
特に、耐久性に問題があったり、製品自体に欠陥がある場合、塗装は逆効果となることがあります。さらに、メンテナンスをしても劣化が進む一方の場合も、塗装は避けた方が良いでしょう。
耐久性に問題がある

耐久性に問題がある理由として、一部の屋根材はその構造上、長期間の耐久が難しいことが挙げられます。例えば、パミールと呼ばれる屋根材は、製品自体の劣化が早く、数年で剥がれやすくなる傾向があります。このような素材に塗装を施しても、下地が脆ければ、塗装もすぐに剥がれてしまう可能性が高いのです。
2000年頃から、住宅建材へのアスベスト使用を避ける動きが始まり、この時期に製造されたスレート屋根は、耐久性が高くないものが出回っていました。アスベストを含まないため環境には優しいものの、著しく耐久性が低く、塗装によるメンテナンスが不可能なほど脆くなっています。
これらの屋根材に塗装をしても、期待した耐久性を得られず、結果的にメンテナンスの頻度が増えるだけ、になります。
したがって、耐久性に問題がある屋根材には、塗装以外のメンテナンス方法を検討することが重要です。
製品に欠陥がある場合
製品に欠陥がある場合、塗装しても効果が得られないことがあります。
特に、製造過程での不具合や材料の品質に問題がある屋根材は、塗装による保護や美観の向上が期待できません。
また、製品自体に耐久性が欠けている場合、塗装を施してもその劣化を止めることはできません。
こうした欠陥は、製造元の保証やリコール情報を確認することで判別できます。製品に欠陥がある場合は、塗装ではなく、適切な対策を検討する必要があります。
メンテナンスの効果が期待できない

メンテナンスの効果が期待できないとは、塗装を施してもその効果が十分に発揮されないということです。特に、経年劣化が進んでいる屋根材は、塗装をしてもすぐに剥がれたり、亀裂が生じたりすることがあります。
これは、塗料がしっかりと密着しないためです。例えば、屋根材自体が脆くなっている場合、塗装を行っても塗装の効果が長続きしません。そのため、塗装をしても防水効果や美観の向上が期待できないことになります。
塗装を考える前に、屋根材の状態をしっかりと確認し、必要に応じて専門家に相談することが重要です。メンテナンスの効果が期待できない場合は、他の方法を検討するのが賢明です。
塗装できない屋根材の具体例
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塗装してはいけない屋根材を具体的に9つご紹介します。
これらの屋根材は、通常の塗装では十分な保護効果が得られないため、特別な対策が必要です。
パミールとその特徴

パミールは主に1990年代から2000年代初頭にかけて製造され、軽量で施工が簡単という特徴があります。しかしその反面、経年劣化が早く、特に10年を過ぎると表面が剥がれやすくなります。
見分け方としては、パミールは、屋根材の先端が等間隔で凸凹しています。また、劣化が進行すると先端部分がミルフィーユ状に剥離するのが特徴です。
塗装を施しても、元々の材質の問題から剥がれが改善されることは少なく、むしろ塗装が無駄になるケースが多いです。このため、パミールの屋根は塗装ではなく、屋根カバー工法や葺き替えを検討することが推奨されます。
コロニアルNEOの問題点
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コロニアルNEOの主な問題点は、製品自体の耐久性にあります。
コロニアルNEOは、ケイミュー(旧クボタ)から2001年~2008年にかけて製造・販売されノンアスベストのスレート材です。経年劣化が早く、割れやすいという特性があります。
このような状態の屋根に塗装を施しても、効果は一時的で、すぐに再び劣化が進行する可能性が高いです。
このため、コロニアルNEOを使用している場合は、塗装ではなく、屋根カバー工法や葺き替えを選択することで、長期的な効果と安全性を確保できます。
コロニアルNEOの見分け方としては、凸部の端が斜めになっている、凸部の長さは凹部の半分である点、家を建てた年などから凡そ判断できます。
レサス

レサスは、1990年代後半から2000年代初頭にかけて普及した薄型のスレート屋根材で、割れやすさが特徴的なため塗装には適していません。
この屋根材は脆く、経年とともにひび割れや欠け、反りが発生し、破片が落下する危険性が生まれます。少しの力で割れるので塗装での保護が難しく、かえって屋根に負荷を与えてしまいます。
レサスのメンテナンスには、塗装ではなくカバー工法や葺き替えが推奨されます。
レサスは見分けが簡単で、1枚が3つのブロックに分かれており、縦にスリットが入っているのが特徴です。
シルバス

シルバスは松下電工が製造販売したノンアスベストスレート屋根材です。上記「レサス」の上位グレードとして販売されていましたが、耐久性に問題があり2001年~2003年のわずか3年のみの販売となりました。
表面にひび割れが多数発生したり、表面だけでなく基材ごと脆くなるため、塗膜が密着できず、塗装ができません。
見た目もレサスのように大きなスリットが入っています。
アーバニーグラッサ

アーバニークラッサのノンアスベストタイプは2000年代初頭に販売されました。
アスベスト含有量を段階的に減らしながら製造されてきたため、経年により屋根材自体の強度が低くなり、ひび割れや破片の落下が非常に発生しやすく、塗装によりかえって負荷がかかり割れてしまいます。
縦の大きな切込みと下端の揃いがランダムになっているおしゃれなデザインで、縦葺きのような独特な見た目が特徴です。
セキスイかわらU

セキスイかわらUはアスベストを含むもの(1990年以前)とアスベストを含まないもの(1990年~2007年)があります。
アスベストを含むタイプは、基材の耐久性があるので塗装可能ですが、1990年以降のかわらUは非常に脆く、耐久性に大きな問題があります。
ひび割れ・層間剥離、破片の落下などの劣化症状が顕著に現れ、塗装ができません。塗装を行ってもかえって劣化症状が進行し、すぐに再度のメンテナンスが必要になる可能性が高いです。
セキスイかわらUは波型で、棟にロット番号が刻印されていますので、正確な築年数がわからないような場合でも判断することができます。
ザルフグラッサ、ザルフ

ザルフグラッサやザルフも、クボタ(現:ケイミュー)から2001年~2006年前後に製造・販売されたものは、アスベストを使用しないノンアスベスト屋根材です。耐久性が乏しく、8年~10年くらいで不具合が多く報告されはじめます。
ひび割れ・欠け・割れといった症状が起こり、屋根材がボロボロになります。
これらの屋根材には、塗装ではなく、カバー工法や葺き替えといった別の対策を検討することが重要です。
ザルフグラッサは、見た目がコロニアルNEOとよく似ているため、購入時期や家の図面などが残ってる場合は確認してみましょう。
グリシェイドNEO
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グリシェイドNEOは、2001年から2000年代後半に販売終了となったノンアスベストのスレートです。
強度が非常に低く、時間の経過とともにひび割れや反りが発生しやすく、隙間から水が入ることで、雨漏りを引き起こす可能性が高くなります。
グリシェイドNEOの見た目は凹凸などがなく、長方形が一直線に並べられており、それぞれ約1㎝の間隔を開けて並んでいます。
グリシェイドNEOは塗装をしても強度が向上することはありません。
そのため、グリシェイドNEOのメンテナンスには、塗装以外の方法を検討することが重要です。
塗装NGの屋根材に塗装すると、どうなる?

塗装が不向きな屋根の劣化状態は、塗装の効果が期待できないだけでなく、逆に問題を悪化させる可能性があります。劣化した屋根材に塗装を施しても、塗膜がすぐに剥がれたり、内部に水が浸入してさらに劣化を促進するリスクがあります。このような状態の屋根に塗装を行うことは、せっかくの時間と費用が無駄になるだけでなく、建物全体の耐久性にも影響を及ぼします。
例えば、ひび割れや欠損がある屋根材は、塗装をしても下地のダメージが進行する恐れがあります。また、塗膜が剥離している場合、塗装を重ねてもすぐに剥がれてしまい、効果が持続しません。さらに、下地が傷んでいる状態では、新しい塗膜がしっかりと定着せず、すぐにまた工事が必要になるでしょう。
塗装できない屋根材の対策法
塗装ができないと判断された屋根材には、カバー工法や葺き替えといった選択肢があります。これらの方法は、屋根材の状態や劣化具合に応じて選ぶことが大切です。
具体的には、屋根材の状態や予算、施工時期などを考慮しながら、最適な方法を選ぶ必要があります。
屋根カバー工法の選び方

屋根カバー工法は、既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねて設置する方法で、塗装が不向きな屋根材に対する有効な解決策です。この工法は全ての屋根に採用できるわけではありません。まず屋根の素材や劣化状況を確認することが重要です。
例えば、カバー工法の条件のひとつに、屋根下地である野地板(のじいた)が傷んでいないことが挙げられます。特に雨漏りが生じている屋根は屋根下地が傷んでいることが多く、屋根カバー工法は避けたほうがよいでしょう。
ほかにも、屋根材自体が著しく劣化している場合は、葺き替えるリフォームが基本です。
葺き替えよりもコストや工期を抑えることができるカバー工法ですが、屋根の状態により施工できない場合があるので、可能かどうかまずは現地調査をしてもらいましょう。
葺き替えのタイミングと注意点

葺き替えのタイミングは、屋根材の劣化状態や使用年数に大きく依存します。屋根の葺き替えが必要なケースは、雨漏りなどで下地が傷んでいる、長い間メンテナンスを行っていないなどの場合が対象です。
アスベストの問題を早期解決したい場合も葺き替えがおすすめです。1980年から1990年代に建てられた住宅のスレート屋根にはアスベストが含まれています。耐久性が高いのでカバー工法も可能ですが、先送りせず早めに対処したい場合は葺き替えをしましょう。
葺き替えは一度行えば長期間安心できるため、計画的に進めることが大切です。
塗装してはいけない第二世代のノンアススレート
ノンアス屋根材の見分け方

ノンアスベスト屋根材の見分け方は、特に古い建物やリフォームを検討している場合に重要です。
初期のスレートの屋根にはセメントの中にアスベストが含まれていました。1990年代から2000年代初頭に製造された屋根材には、アスベストを含まないノンアスの製品が多く見られます。ノンアスベストなスレートという意味で、ノンアスです。これら初期のノンアススレートは第二世代と表現され、強度が低く、耐久性には大きな問題がありました。商品は軒並み製造中止になっています。
アスベストの有無は製品のラベルや保証書、製造会社の情報を確認することで判断できます。分からない場合は専門業者に依頼して調査してもらいましょう。
また、第二世代のノンアススレートは強度が低いため、点検のために屋根に登った職人の重さでもスレートが割れてしまうことがあるので注意が必要です。
第二世代のノンアススレートの寿命
屋根材の寿命は、一般的に20年から30年とされていますが、アスベストを含まないノンアスベスト屋根材は耐久性が低く、劣化が早いことが多く、10年経たずに劣化が進行する場合があります。築後15年から20年で屋根の大掛かりな改修工事を迫れるケースも多くあります。
そのため、屋根材の寿命を見極め、適切な時期にメンテナンスを行うことが重要なのです。
特に、ノンアスベスト製品は、製造時期や使用環境によって寿命が異なるため、専門家による点検を受けることをおすすめします。屋根材の寿命を理解し、適切な対策を講じることで、長期的な維持管理が可能となります。
まとめ

1990年代末から2000年代半ばに製造されたノンアスベストのスレートは脆弱で、耐久性が著しく低いものでした。これらの屋根材は塗装ができないばかりか、屋根材によっては塗装が逆効果となることがあります。
その見分け方を知り、適切な対策をとることが、家を長持ちさせるためには重要です。ただし屋根に登っての目視確認は危険なため、専門業者に依頼しましょう。
屋根のメンテナンスは長期的な視点が必要です。適切な方法を選ぶことで、安心して住まいを守ることができます。
プロタイムズ長野若里店では屋根外壁に関する無料見積もりを承っております。外装劣化診断士が、屋根の状態や塗装が可能かどうかを正確に診断いたします。
ご自宅の屋根が塗装できない屋根材なのか不安な方や、ここ数十年屋根のメンテナンスを行ったことがない、という方はぜひ屋根外壁の無料見積もりをご活用ください。
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